泥湯温泉は、秋田県湯沢市にある1200年の歴史ある温泉町です。 硫黄臭がたちこめ、もうもうと温泉ガスや湯気ののぼる山の谷間の小さな集落に4軒の旅館、民宿があり、近くには日本三大霊地の1つである川原毛地獄や、自然の滝が温泉になっている川原毛大湯滝があります。 泥湯という名前の由来はそのまま、温泉が泥水のような色の濁り湯なため、または湯と一緒に湯泥が沸いてくるためと言われています。 ごぼごぼと泥が噴出しているそんな秘湯ムードたっぷりな村ですが、アクセスの道はちゃんと整備されており、特に細かったり山道のような所はなくスムーズに到着できました。 |
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1: 小さな泥湯の集落には平屋か2階建ての低層の宿が並んでいて、 昔の宿場町のような街並みが懐かしいです。 2: 奥山旅館の男女別内湯。不思議な2層の造りになっています。 3: 混浴露天風呂は2つ、川を臨む開放的な露天は、道路からもちょっと見えるオープンさです。 4: 内湯とは別棟にある露天風呂。 広々開放的ですが、こちらはちゃんと視界がさえぎられているので安心です。 5: 道路わきにあった足湯も、しっかりきれいな白濁湯。この横には、目の湯という湧き出し口もありました。 |
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泥湯温泉にある奥山旅館は、泥湯で一番大きなお風呂を持つ唯一の通年営業している宿で、日本秘湯の会に所属しています。 旅館には、男女別の内風呂が2つ、その横男女別内湯からつながる混浴露天風呂が2つ、そして別棟に男女別の露天風呂があります。内湯には洗い場も2つありました。 泉質は、白濁した酸性の硫化水素泉と透明な単純硫黄泉とありましたが、どの浴槽も微妙に色が違う濁り湯でした。 成分表を見ると、内湯は単純泉になっているのに、すごく灰色に濁っていてびっくり。また、混浴露天風呂の浴槽から掛け流された湯が通路に流れていましたが、その成分で石が茶色に変色していました。 |
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6: 露天風呂の底の隅の方には、湯泥がたまっていました。 細かく滑らか、むにゅっとした気持ちよい触感の泥で天然のマドパックを! 7: 集落横には、道路わきに温泉ガスが噴出するエリアがあり、 「危険」を知らせる看板がこれでもかっ、というほど たっていました。2005年に結構ニュースになった観光中の家族が、硫化水素ガスを吸い込んで 死亡した事件がおきたのはここで、看板の多さも納得です (その時は、雪のくぼみに重いガスがたまっていたため死亡にいたるまで吸引してしまったのですが、 特に普通に通りぬける分にはちょっと臭いだけで問題はありません)。 8: 川原毛地獄を挟んで反対側にある、川原毛大湯滝温泉。こことは泉質が全く違うのが不思議です。 |
質の良い濁り湯は思ったより滑らかな肌触りで、浴槽による微妙な色の違いを楽しむもよし、湯泥も粒子が細かく泥パックするもよし、周辺の湯の湧き出し口を巡ってみるもよし、東北の小さな宿場町を昔と変わらない形で楽しめる、良い温泉町でした。 噴出すガスやマッドポッド、地獄巡りも出来るし、特に地熱・火山好きにはたまらないのではないでしょうか。 また、お風呂に入った後は、オープンな御茶屋さんがあります。ラムネや温泉玉子(表面が硫黄で灰色になっていた)、季節によって川魚などを炭で焼いていたりして、個人的にお気に入りとなりました。 以上、大地の力を感じる火山性の素晴らしい温泉と和やかな集落は、ひっそりと篭りたい時にぴったりです。秘湯ムードの割りにアクセスが良いのもポイント、是非気軽に楽しんでほしい温泉でした。 <2006.8> |