カルロヴィバリはチェコで一番有名な、西部にある温泉地で、源泉が14あると言われています。素晴らしい泉質もさることながら、その歴史も古く、14世紀に発見され、1700年代に造られた町並みとその中に点在する豪華な入浴施設が素晴らしく、世界的に有名な温泉地のひとつと言えると思います(Karlsbad、カールスバッドという呼び名を聞いたことある方も多いでしょう)。 温泉街は、鉄道駅から丘を下った所、川沿いに長く伸びているのですが、町自体がとてもきれいで温泉ぬきで、観光しに来ても十分楽しめそうな町並みが印象的でした。 |
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温泉街内には、5つのLazne(温泉施設、SPA,Termeのようなプールと医療・美容施設で、ラズィネと呼んでいます)と、飲泉所があちこちにあります。 左の写真は駅から一番近い、Lazne5です。駅から歩いていくといきなりこの施設に辿りついて、この豪華な造り、前庭のアプローチの長さにびっくりしてしまいました。 |
![]() | ![]() 左: 公園の中の飲泉所 上: 飲泉用カップ |
ヨーロッパの温泉地では、通常入浴より飲泉が盛んなことが多いですが、ここも同様、町内のあちこちに飲泉所があります。 それぞれ泉質が微妙に違うので、あちこちの泉の水を飲んで歩く健康法を実践している人がたくさん。独特な形の飲泉用マイカップをみんな持ち歩いています(イラスト図)。 |
ちなにみ、カルロヴィバリは、陶器やクリスタルの町でもあります。このボヘミア陶器の飲泉カップはお土産に最適、サイズも色々売っていました。 |
![]() | 室内に間欠泉があるVridelni Kolonadaにも、5つほど飲泉口があって、みんな井戸端会議をしながらマイカップで温泉を飲んでいました。 私も飲んでみましたが、炭酸ミネラル系、とても飲みやすく美味しいお湯でした。胃腸に効くそうです。(岐阜県の湯屋温泉に似た感じ) |
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公共のLazneは5つあるので、どれに入ろうかと巡った所、左の写真のLazne1は閉館中、右写真のLazne3はやや医療色が強く午後のみということで、見比べて日帰りの雰囲気のよかった私営施設 Zamecke Lazneに入ることにしました。 |
![]() | ![]() | Zameckeの入り口と温泉プール(屋内) どうやらこの施設はかなり高級spa のようで、現地にしてみると値段もそうとうだし、有名人が色々来ているようで、ロビーに沢山写真がはってありました。(私がわかった有名人は、モーガンフリーマンくらいでしたが) |
そんな感じなので、中はとってもきれいで贅沢な造り。あちこち大理石の室内プール部屋の窓には、豪華な布カーテンがかかっていたのには結構感動しました。(入浴施設で布カーテンなんて湿度の高い日本では見られないので、特殊な布なのかとか興味深々でした) |
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写真左: ハイドロトリートメント用個室 写真右: 施設内にあった飲泉口。成分がすごいのが結晶物からわかります。 普通に温泉プールだけ入れるのは朝の1時間のみ、あとの時間はちゃんとしたスパトリートメントを含むコースを頼まないといけなかったので、私はハイドロマッサージとやらをオーダーしてみました。 ![]() |
左のような個室タブで、水圧の高いホースからの水で全身マッサージをするというもの(この時全裸)。なかなか気持ちよかったですが、やはり手もみのマッサージに比べると大雑把な気はしました。 トリートメント前後の時間、自由に温泉プールやサウナを使えるのですが、プールの温度は低いし、サウナは小さいし、入浴を目的にして入るとちょっといまいちな印象が残るかもしれません(チェコの温泉は一般的に入浴をメインとしていないので、どこもこういう感じだそうです)。とはいえ、雰囲気は優雅だし、泉質は確かにいいので、温泉で温まる、というよりは、いい湯を飲泉で体内に直接取り込んで、アクアビクスやスパマッサージでリラックス、そんな目的で一度はLazne体験をしてみるのもいいのでは、と思います。 |
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なんとカルロヴィバリは草津と姉妹都市だそうです。他にもバーデンバーデンなど有名温泉地が並んでいます。 確かに草津と町の規模や雰囲気が似ているし(草津が湯畑を中心とした円形なのに比べて、カルロヴィは川にそって線形に広がっているという違いはありますが、どちらも歩いて1時間ほどで回れる規模感と点在する外湯など)、泉質が素晴らしく、国で一二を争う温泉地である所も似てるし、なるほどと思いました。 |
以上、チェコの草津、カルロヴィバリは温泉好きなら是非一度訪れてほしい、素晴らしい温泉地でした。落着いた町の雰囲気もいいし、何より地元の人にとって温泉がいかに生活に定着したものかが見ることが出来る点が、遠くにいて日本と共通のものを感じる、なんともほのぼのな旅の思い出になると思います。 |
![]() | おまけ情報: 町の入口にあるスーパー。 朝6時からやっているので、夜行電車でたどりついた私にはとっても心強い存在でした。外はこんな重厚な造りですが、中は普通のスーパーで食材が豊富、一緒に食堂もついていて、ここの料理は本当に地元の家庭料理なのでおすすめです。またその横にあるお菓子やさんのケーキはどれもかわいいし美味しかったです。 |