海外で最も有名な温泉地のひとつと言える、バーデンバーデン。ドイツの南西、シュヴァルツヴァルト(黒い森)地方の北部にあって、すぐ西はフランス国境という場所にあります。 現在では黒い森というほど昔の森の深さがあるわけではなく、きれいな森林と保養地が点在する地域になっています。バーデンバーデンはその中での一番人気の保養地で、日本の温泉街のイメージとは全く違う、ゆったりと休暇を自然の中で過ごす場所、緑がきれいでのんびり散歩するためにあるような町です。 もちろん空気も美味しくて、あちこちに花が咲いていて、建物も雰囲気があって、とさすが歴史ある欧州的温泉地だと思いました。 ![]() |
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1: バーデンバーデンはこんな緑豊かな保養地です。 1週間いれば、まず肺がきれいになりそうな澄んだ空気です。 2: 中心街は、石畳とパステル調の建物がかわいらしく、所々に泉がありました。 |
駅からバスにのって、中心街近くで降りると、緑の公園のような中に、昔の社交場だったカジノやダンスホールなどの歴史ある建物が並んでいました。 センターに入ると、可愛らしいパステル調の建物と石畳が続く商店街が。お店は高級なブティックから、庶民的な1ユーロショップまで色々あって、ふらふらしながらウィンドウショッピングするのにちょうどいいサイズの街です。皆歩きながら食べている名物?のアイスクリームが美味しかったです。 |
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3: これがフリードリヒ浴場の外観、まるで宮殿のようです。ちょっとどきどきしつつ正面から入ります。 4: 重厚な内装がホテルのような入口ロビー、ここで受付をします。 |
本当にこれが入浴施設?というような豪華さに圧倒されつつ、昔ながらのローマンアイリッシュ方式で入浴を申し込みました。(基本の入浴コース以外に、マッサージなどのトリートメントをつけるなどのメニューが選べます。) ローマンアイリッシュ方式というのは、16段階の手順があって、壁にかかれた手順にそって部屋を移動しながら入浴していく健康法で、ローマの古代からの入浴法と、アイルランドの温室浴を組み合せて出来た方式です。125年ほどの歴史があり、この浴場以外でもヴィースバーデンのKaiserFriedrich Thermeなど、ドイツ周辺のスパで体験する事ができます。 |
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6: 上のフロアプランの11番、建物中央の温泉浴槽の上には、天井の高い優雅なドームが。 7: フロアプラン2番の温室、サウナはそれぞれ絵が書いてある模様タイルで優雅でした。 8: スパ後の待ち合わせも優雅に。ここはスパを終わったあと自由に使える空きスペースです。 |
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ローマンアイリッシュ浴法は、是非日本にもこういう施設があったらいいのに、とつくづく思うよく出来た方式だと思いました。施設さえ作れば、お客さんが各自が勝手にプログラムをこなすだけなので、スパトリートメントに比べて人件費もかからないながら、エステのような満足感を得られる(=それだけの値段がとれる)のが素晴らしいです。とは言え、これだけの豪華な設備があってこそ、これは簡単に作れるものではないな、と思いました。 ちなみに、フロアプランはきれいな左右対称になっていて、向かって右が女性、左が男性用になっています。(上のプランの10と11の浴槽を中心にして折り返したように、全く左右対称なのです) 日本の温浴施設同様に入口は男女別でロッカーもあって、裸になって入るのですが、順序にそってお風呂を移動していくと、なぜか最後に優雅な混浴プール(10と11番)に導かれる、そんな造りなのです。 ちなみに、ドイツやオーストリアなどの温浴施設では、温泉プールは水着ですが、サウナエリアは裸で混浴が一般的です。皆隠さずどうどうと裸で入っています。すぐ近くにあるカラカラスパも同様です。 とにかく、宮殿のような施設の中、独特の浴法でどんどん体をきれいにしていくと、最後は一番優雅なドームの下の混浴スペースに導かれる、そんなロマンチックなフリードリヒ浴場。きっと昔の貴族はこうやって禁断の逢瀬をしていたのかしら・・・などと想像できる、本当に優美な施設でした。温泉がどうだ、というよりはこの雰囲気と浴法を一度試してみてほしいと思います。 <2004.3> ※追加情報 2007年7月に改装工事を終了して、更に優雅な施設になったそうです。 |