栃木、塩原温泉郷は緑豊かな箒川(ほうきがわ)沿いに数々の旅館が点在する、1000年以上の歴史ある温泉地です。 中心になる浴衣で歩くようなにぎやかな温泉街はありませんが、それぞれの旅館が独立した個性を作り出しています。そんな塩原には11の湯元があり、そのうちの大網温泉にたつのが、この田中屋です。 3つの源泉を持つ田中屋は、「源泉主義」を謳っていますが、温泉の質だけでなく眺めのよいお風呂が人気の旅館です。 鉄筋コンクリートの7階建ての大型旅館ですが、客室は26室しかありません。そのうち2室は、露天風呂付の特別室、1室展望桧風呂付特別室、1室バリアフリーのお部屋があります。 |
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1: 旅館本館と道路を挟んで反対側、渓流を見下ろす崖に建つ、宿泊者専用の展望風呂。 男女別各1室あります。 2: 渓流沿いの野天風呂は4浴槽あり、そのうち1つが女性専用となっています。ここも渓流を見下ろす 高い位置にありますが、川を見ようと覗き込むと、他の浴槽(=男性群)から見えてしまうので要注意。 3: 青緑に透き通った川のすぐ横の浴槽河原湯、 混浴なのでほぼ男湯状態になっているのが女性としては残念。 4: 明治25年の田中屋のパンフレットより 道路沿いに本館があり、川沿いに露天があるという構成は今と変わらず。 |
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5: 旅館入口横にある、飲泉所。癖のない味の温泉を楽しめます。 6: 3つある混浴野天風呂のうちの1つ岩間湯、その名の通り、大きな岩の横のくぼみにあります。 7: 落ち着いた雰囲気のロビー、囲炉裏があって鮎が焼いてあったり、 トマトときゅうりが冷水で冷やしてあったり、味のある演出がありました。 |
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温泉は、無色透明、無味無臭で、泉温63℃の芒硝泉(ナトリウム・カルシウム―硫酸塩温泉)、効能はリュウマチ、神経痛、慢性皮膚病など。PH7.8の弱アルカリ性、やわらかいお湯です。 日帰りで入れるのは、野天風呂の4つ、もしくは館内の展望風呂のどちらかそれぞれ800円。展望風呂は7階にあって、壁面の一面窓いっぱいに緑が広がります。 とにかく、どのお風呂からも眺めがよく、日本三大渓流露天風呂の1つと自称する野天風呂の開放感と眺望は素晴らしかったです。また、野天に行くまでに道路から300段ほどの緑の中の階段を下りるところがまた味があり、ちょっとした運動にもなります。ただ難点はやはり混浴風呂が全てほぼ男性専用状態になっていること。こればっかりは本当に残念でした。 以上、歴史ある塩原の宿、田中屋でした。周辺には何もないですが(コンビニへは車で15分ほど?)、東京からのアクセスも良く、ただひたすら緑と温泉を楽しむにはよい静かな渓流沿いのお宿でした。 <2006.6> |