中乃湯は、沖縄本島の真ん中東にある沖縄市、コザ地区にある銭湯です。 観光地区ではない住宅地の中にぽつっとある銭湯で、ガイドブックやレンタカー屋でもらった地図には周辺の地図が細かくでていないので、探すのにちょっと苦労するような、地元専用的な施設です。温泉銭湯なので目印となる煙突もないし、特に看板なども出ていない周囲となじんだコンクリの建物の1階にあるので、近くまで来たら人に聞くのが一番だと思います。 沖縄には温泉が珍しいですが、琉球大学のお墨付き温泉で、地下350メートルからの汲上げ、ナトリウム炭酸水素塩泉だそうです。 |
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1: 銭湯入口、コンクリ造のビルの1階、やや奥まったところにあります。 2: 脱衣所の木製ロッカー。マジックペンででかでかと書いた番号がいい味出してます(鍵なし)。 |
上は入口の様子ですが、建物入口付近に番頭のようなおばさんがいて、そこでお金を払いました。2004年の11月から270円に値上げされたと書いてありましたが、おばさんは『2でいいから』という仕草でこっそり200円にしてくれました(地元民価格)。うちなんちゅーはおおらかだな~、と入る前からほのぼのムードです。 建物に入ると、その独特な造りにちょっとびっくり。なんとも味のある、浴室と脱衣場が一緒になった形で、湯治場ムードたっぷりです。ここは本当に沖縄?まるでどこかの温泉町の外湯に来たような感じです。ちなみ沖縄の銭湯は、一般的に脱衣場が一緒になった形が多いそうです。 |
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3: メイン浴槽、というかこれ1つです。 2: 洗い場の蛇口はやけに高い位置にあって、自分で温度を調節します。 3: ここまで来たら、ちょっと寄ってほしい沖縄タコスの人気専門店、創業昭和31年の『チャーリー多幸寿』。 この銭湯からも遠くないので、ジューシーなタコス&タコライスを是非お試しあれ。 沖縄県沖縄市中央4-11-5、TEL 098-937-4627 |
さて、手作りっぽい鍵のついていないロッカーに服をいれて、さっそく入浴です。 まずは注意書き通り、石けんで体を洗ってから。シャワーはなく、高い位置にあるお湯と水の蛇口がホースでつながっていて、水温を調節できるようになっています。お湯はきれいな黄緑色で、滑らかでふわっと温まる感じ、PH7.6の弱アルカリ性の重曹泉だそうです。深い浴槽には段差があって、ちょうど座る姿勢で入れるようになっているので、のんびり足を伸ばしながら入ることができます。ちなみに地元率は95%という感じでしょうか、皆さん入るときに挨拶していました。 お湯といい、古い味のある建物といい、不思議な形の白くて深めの浴槽といい、銭湯好き、湯治場好きの人にはたまらないお風呂です。それでいて、銭湯の前には湯上りのおばちゃん、おじちゃんたちが世間話しながら涼んでいたり、なんともアジアンなムードが漂っていて(日本の田舎の銭湯とまた違った雰囲気)、うちなんちゅーの温かみに触れられるこの銭湯は、沖縄の隠れた文化遺産的施設だとつくづく思いました。個人的にかなり気に入ったので、また沖縄に行く時は入りに行きたいと思っています。 <2005.5> |