栗本温泉は、中津川にある付知川沿いの温泉一軒宿です。 広大な敷地に客室8室のみの贅沢な旅館から見えるのは、芝生の庭と清流、その向こうの緑の森。とても静かな環境にぽつっと建っていて、周辺には何もないので、純粋に温泉と料理を楽しんで篭るためのお宿です。 宿までの道のりは、257号線を横に入った途端、林のみの分かりにくい道になって、秘湯ムードが漂います。そこから細い道を行って宿に出るといきなり目の前がぱっとひらけ、広い芝生の庭と横に平たい2階建ての和風建物が目に飛び込んできました。 |
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1: 付知川の反対側から見た旅館の外観、自然の中の一軒宿です。 2: 内湯はシンプル、落着いた暗さの浴場でした。 |
横に流れる川の音と、広い芝生が気持ちいいお宿ですが、とくに素敵だと思ったのが、横のつり橋で川の対岸に渡ったところ。付知川沿いに整備してある遊歩道があり、温泉の合間にぼーっと散歩できるのです。人にほとんど会わないプライベート状態の散歩道では、透き通った水の小さな滝や緑からのマイナスイオンあびまくりでした。 もともとここの旅館は、ゴルフ場のゲストハウス的な位置づけで建てられたそうで、館内公共部分の雰囲気は、旅館のような、ゲストハウスのような不思議な造りでした。とはいえ客室は畳の純和室、スイートルーム(特別室)もあって、眺めもよい広々なお部屋でした。普通の部屋も贅沢な造りだと思いました。 |
さて、お風呂ですが、男女別の内湯に加えて、最近露天風呂が出来たようです(私が行った時は内湯のみでした)。 どちらも定員3名ほどの小さなものですが、客室が8室なので混む事もなく、ほぼ貸切り状態で使えました。 お風呂の造りはおいておいて、よかったのがその泉質です。ここ周辺はラジウム泉が出る地帯なのですが、ここのラジウムの含有量はかなり多いらしく、たしかに体がかなり温まりました。 | |
入っている時は、無色透明無臭なので、温泉っぽい感じはしないのですが、出た後、体がもわもわと温かくなって(普通のお風呂の温まり方と違う)、これが放射線効果か!と実感できるのがすごいと思いました。にしてもどうりで湯治希望な年配のお客さんが多く、効果が強いので、5分以上入っちゃだめですよ、と言われたのも納得のお湯でした。もとは冷泉で湧出量が少ない貴重なお湯だそうです。 以上、お風呂自体の造りはシンプルである意味そっけないですが、お湯はなかなか。また、なにより静かな環境、横の川の眺めと川音が素晴らしい宿でした。しみじみと静かに篭りたい時におすすめします。 <2004.7> |