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二岐温泉 大丸あすなろ荘 : heavenly-spring.com

二岐温泉 大丸あすなろ荘

二岐温泉 大丸あすなろ荘
大丸あすなろ荘は、福島県の南、栃木に近い奥会津にある日本秘湯を守る会にも加盟している山奥の宿です。
平安中期の開湯とされ、徳川時代から旅籠を営んでいたこの宿は、元は大丸屋という名前でした。昭和39年の大雪で600年ほど前の建物が損傷したのをきっかけに新築した時、「あすなろ荘」という名を高松宮様からいただいたそうです。
秘湯の宿といっても、古い湯治の宿という雰囲気ではなく、高速から1時間以内のアクセスのよい場所にあり(JR東北新幹線・新白河駅から旅館の送迎も頼めるそうです)、
建物やサービスも湯治の宿というよりは普通の温泉旅館感覚で泊まれて、それでいて山奥の源泉掛け流し露天に入れるという、多くの人に勧めやすい宿だと思います。

★★★☆
★★★☆
★★★★
★★☆
★★★☆

福島県岩瀬郡天栄村大字二岐
0248-84-2311
URL :  http://www.spa.or.jp/shisetu/daimaru/yado.htm
入浴料金 :  735円
行き方 : 電車なら、JR東北本線須賀川駅から二岐温泉行きバス約2時間、終点で下車して徒歩数分です。
車なら、東北自動車道の白河IC.を降りて国道4号線→国道118号線もしくは、294号→118号という道が走りやすいですが、白河から羽鳥湖線を北上するのが山道ながら一番近いです。約40キロ、約45分ほどです。
1. 2.

1: 車道から川の方へ砂利道を下っていくと、ふと現れる小さな宿の入口。
   いきなり玄関が見えない造りが心憎い演出です。
   苔むした緑の門に赤いもみじが被さり、素晴らしいお出迎え。暖簾をくぐった後のアプローチも
   苔むした石とアーチ状の紅葉が日本に生まれた幸せを感じさせるきれいさでした。
2: 内風呂は普通にきれい、シャワー・シャンプー類付の洗い場もあります。
車を降りて、苔むした門の暖簾と紅葉の被さった小道をくぐっていくと、意外に近代的な建物が現れます。鉄筋コンクリのきれいな建物ですが、さりげなく現れるので威圧感がなく、自然木に覆い被されたように馴染んでいました。
入口は3階で、中に入ると渓流の流れる森を見渡せる広いロビーがあります。宿は、渓流亭と湯生亭の2棟で構成されていて、名物の露天風呂は、1階から外に出て二岐川沿いに行った所に点在しています。

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3: 混浴露天風呂、すぐ横の川に足を浸すこともできます。
4: 岩盤の亀裂から温泉が自然湧出している、名物「自噴泉岩風呂」。
   浴槽の底はそのまま天然岩という幸せな湯舟です。
5: 岩風呂の外観、2棟の新しい建物の合間に、ふと時間が戻ったような湯治場風の木造湯屋があります。
6: 女性専用露天風呂。混浴に比べて少しだけ高い位置にあって川を見下ろすお風呂です。
7: 広々したロビーには、ベタなお土産物のショーケースが。ここでコーヒーやアイスをいただけます。
5. 6. 7.

まず、内湯は、シンプルな四角い浴槽がひとつと洗い場が4つあり、内湯浴槽からガラスを隔てて外に小さな露天風呂がついています。定員は10名ほどのコンパクトな浴室ですが、普通のホテル並にきれいなので、秘湯慣れしていない人でも違和感なく使えると思います。
泉質はカルシウム-硫酸塩泉、無色透明の湯で強い個性はありませんが、かすかに温泉臭とちょっと味がある湯です。成分表を見ると、融解物の料は非常に少なく淋しい感じに思えますが、源泉掛け流しで、ほぼ沸いたままの湯の状態を保っている=還元性の湯=肌の老化を防ぐいい湯だということが分かります。温度は39℃ほど、露天は少しぬるくて長湯できませんでしたが、季節にもよると思います。

8. 9.
8: エントランスアプローチ、苔むした石のモスグリーンともみじの赤のコントラストが優雅です。
9: 露天風呂へのアプローチ、左に見えるのがなぜか白っぽい色に濁っている二岐川です。
内湯で温まったら川沿いの露天と岩風呂に行ってみましょう。混浴(実質男湯)の渓流沿い露天が2つ、女性専用露天・内湯が少し離れた川の上流下流にあり、時間により男女の入替えもあります。
単純泉とカルシウム-硫酸塩泉、無色透明の源泉湯です。温度は浴槽によって違い、混浴はぬるめ、女性専用露天は41℃ほど、その横の内湯子宝の湯は40℃弱のほどよい湯でした。

岩風呂は沸いたそのままなので温度は季節によってかわりますが、この時は38℃ほどのちょうどよい温度、入浴にあった温度で沸いてくる温泉というのは非常に貴重です。雰囲気も、昔の湯治場ムードたっぷり、天井の高い木造の小屋を湯の沸いてくる岩の上に後から載せた、という感じで和める湯でした。
また、岩風呂は混浴ですが、早朝に女性タイムがあります。のんびりくつろぐなら朝風呂をお勧めします。

以上、湧き出すそのままの湯と渓流や周りの緑をしみじみ味わえる秘湯の宿でした。きれいなお部屋でくつろげ、美味しい料理をいただきつつ、鄙びた源泉と自然の中の露天を楽しめる、そんなあすなろ荘が人気なのも納得です。特に新緑、紅葉の季節などの景色は素晴らしく、また通年営業しているので、冬は雪見風呂が楽しめるのも貴重です(東北の秘湯の会の宿は冬季休業の所が多い)。アクセスも良いので、気軽に立ち寄り湯も可能、是非近くを通ったらひと風呂浴びることをお勧めしたい温泉でした。  <2006.10>