HOME |  SITE MAP | CONTACT

Thermae Bath Spa : heavenly-spring.com

Thermae Bath Spa

Thermae Bath Spa
ローマ時代からの温泉で栄えてきた街バースは、ロンドンの西140kmほどにあり、1987年に世界遺産として登録された、イギリス有数の観光地です。
お風呂の語源として世界的に知られていますが、正しくは、ゲルマン語のお風呂という単語から街の名前が着いているとこのこと。どちらにしても、とにかく2000年近い歴史ある温泉町です。
ローマ時代に温泉で栄えた後、一時は荒廃しましたが、また18世紀から高級リゾート地として有名になりました。1878年にスパが再オープンして、1978年に閉鎖、その後また2006年にやっと新設されたのが、このテルマエスパです(英語発音だとセーマスパ)。

★★★★
★★★
★★★★
★★★★☆
★☆

Hot Bath Street, Bath BA1 1SJ
+44 1225331234
URL :  http://www.thermaebathspa.com/
入浴料金 :  15/25pound
バースの街中、中心のアビーやパンぷルームのすぐ横にあります。バース鉄道駅や長距離バス乗り場から500mほどです。
1. 2.
1: バースの街並み、この地域でとれるクリーム色の石材で作られた18世紀の建物が並びます。
2: スパと同様なバースの有名建築、ロイヤルクレセント。広場に沿って曲線(クレセント=三日月)
  を描いた優雅な建築内には、博物館やホテル、一般住宅などが入っています。
バースの街の主要観光場所は、歩いて巡れる半径1km圏内にすっぽりおさまっていて、ふらっと気軽に観光できるせいか、ロンドンからストーンヘンジとセットで日帰り観光なんていうツアーもたくさん出ています。とはいえ、温泉リゾートという街の性質上、本当の魅力は、ゆっくり保養してこそ分かるというもの。少なくとも1泊することをお勧めしたいと思います。

3. 4.
3: ロイヤルパンプルーム(社交場)の入り口上には、「King's and Queen's Baths」との表示が。
4: ローマ時代の温泉遺跡、ローマンバスのメインプール。
  横にはアビーが見え、素晴らしい神々の彫刻に守られています。
街の中心、Abbey Church Yardの周りに、ローマンバス(遺跡観光スポット)+パンプルーム(現在はレストラン)、バースアビー教会が並んで建っていますが、そこからその名もBath Streetという通りを横に入った所にテルマエスパがあります。
18世紀の建物と融合した新しいスパは、やはり観光の目玉でもあり、いつも人があふれていました。スパは大きく分けて、本館(New Royal Bath)と別館(Cross Bath)の二つの建物からなり、入場はそれぞれ別になっています。本館は予約が必要ありませんが、別館は事前に予約しないと埋まっていることが多いようです(貸し切り利用可能)。

5. 6.
5: テルマエバスの正面入り口。2階から上のファサードは18世紀の大理石、
  1階はモダンなガラス張りという新旧の融合がイギリスらしい外観です。
6: 1階の内湯(というか屋内プール)は、シンプルモダンなデザイン。
さて、さっそく入口で入場料を払って(この時、タオルやバスローブなども有料レンタル可能)、リストバンドを受けとって、ゲートを通ると、そこはすぐ更衣室になっています。男女一緒のブース式の更衣室で着替えてロッカー(無料)に荷物を置いたら、シャワーを浴びて、各階へ移動します。
地階が屋内プール、1階がロッカー+シャワー、2階がカフェとマッサージルーム、3階サウナ、4階に屋上プールがありますが、館内は思ったよりコンパクトで、大型テルメを期待していったせいもあり(人が多かったせいもあります)、あんまり広々ゆったりした雰囲気ではありませんでした。

7. 8.
7: バースの街並を眺めながらの露天プール。
  バリアフリー(車椅子の人も入れる)になっていたのには流石イギリスと思いました。
8: パンプルームでは飲泉が出来ます。
  街に湧き出る3つの源泉のうちの一つ、King's Springがコップ1杯50p。
地階の屋内プール、屋上の露天プールともに温度は33度ほど。ちょっとぬるくて、体が温まらないので、一回入ったら寒くて出にくい温度です。特に屋上プールは、風の冷たいイギリスにおいて、冬はかなり厳しいのではないでしょうか。
とはいえ、ここからの眺めは最高、世界遺産の街並みを眺めながらの温泉なんて、本当に贅沢です。出来る事なら、朝焼けや夕暮れの空がきれいな時間帯や、また夜景もいいかもしれません(冬は夕方4時には真っ暗になるので、夕食前に夜景温泉、なんてことも可能です)。

9. 10. 11.
9: 今もこんこんと湧き出る温泉@ローマンバスにて。
10: これもローマンバスの低温プール。ローマ時代のスパには、
  いくつも温度違いのプールや温室があって、現代の大型施設と変わりない素晴らしいものでした。
11: ローマンバスのお湯に触ろうとした人に、スタッフのおばさん(青い服)が本気で
  「きたないから触らないで」と止めていました。その真剣さがおかしかったのでパチリと一枚。
さて、温泉のお湯は、源泉はとってもミネラル分の強い緑に濁る湯なのですが、スパでは殺菌されて温泉味をあまり感じない普通のお湯になっていました。源泉を味わいたいなら、ロイヤルパンプルームのレストラン横で飲泉コーナーがあるので、そちらをお勧めします。
また、温泉プールの温度が低かったので、結局一番長くいたのは3階のサウナフロアでした。大きなサウナルームの中に、円形のサウナが4つ、それぞれアロマが違ったスチームルームになっていて、そのわきに、足湯コーナーと、天井からのうたせ湯的シャワースポットがあります。個人的には一番ここが癒された、というか体が温まるのがここだけだったで、お気に入の香りのスチームで温まったら、テラスへ出て冷たい風を受けながらバースの街並みを眺めて、の繰り返しで随分リラックスできました。

そうこうしているうちに、あっという間に2時間経過。ここの入館は、2時間コース25ポンド、4時間35ポンド、1日で55ポンドという値段設定になっています(マッサージやレストランを利用すると時間追加)。ふらっと温泉を楽しむだけなら2時間で十分な広さですし、もうちょっとゆったりしたいなら4時間コースもしくは2時間コース+マッサージがいいかと思います。逆に1日いても、日本の日帰り温泉のような休憩室がないので、居場所がないような気がしました。

以上、イギリスで唯一の日帰り温泉スパは、もちろん十分素晴らしい施設ではあるのですが、スパが出来るまで何年も待っていたこともあって期待値が高くなっていたせいか、絶対お勧めする!と言えるほどのものではなかったのが残念でした。やはり、温泉後進国イギリスのスパだなあという印象が残っていますが、露天の眺めなどがいいだけに、あともう一息頑張ってほしい、とつくづく思います。
とはいえ、街探索の楽しさやローマンバス遺跡の素晴らしさなどと合わせて、イギリスに行ったらバースは是非行ってみてほしい街であることは確かです。スパも新しく別館のCross bathが出来たり、これからも色々変化していくと思うので、また数年後にでも、ゆっくり時間をかけて再訪したいと思っています。 <2011.6>