sklene温泉は、スロバキアの中南部の山間にある、小さな村の中にある温泉です。 ブダペストの北100kmほどの場所で、スロバキアの首都ブラスチラバとZvolenを結ぶ主要道から山に入った場所にあります。 その歴史は長く、最初の記録は1550年で17世紀にはすでに医療的な目的がメインのスパとして確立していたそうです。現在は、宿泊棟やホテル、温泉棟が並ぶ小さな集落のようになっており、温泉セラピーを中心としたハイドロセラピーやマッサージなどを提供しています。 Skleneというのはスロバキア語でガラスを意味し、Sklene Tepliceは直訳すると「ガラス温泉」となります。14世紀頃からこの地域で、ガラス工業が発展していたことによる地名だそうです。 |
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1: 公園の中にある昔の社交場、温泉場の歴史を感じさせます。 2: これが名物、洞窟温泉のある温泉棟です。 |
国道から山に入ると、日本の山の温泉に向かう道とそっくり、横を川が流れる林道や眺めの良い平原を抜けていきます。その後現れる小さな温泉町は、始め民家が並ぶ普通の村で、本当にこれが温泉リゾート?と思いますが、奥に進んでいくと学校のような造りの温泉棟が見えてきます。 レセプションとある受付棟で料金だけ払って、洞窟温泉(Parenica)棟へ。 小川を渡った向かいにある丘の教会を背後に控えたParenica温泉棟に入ると、男女別の更衣室が左右にあって、それぞれから同じ浴槽へつながるように浴室への入口があります。その扉には、温度42℃、最長20分にしろという注意書きがありました。 浴室のドアをあけたとたんすごい湿度、階段を下りると天井の高い縦長のハマムのような浴室があり、そのまん前にどーんと温泉成分でできた南瓜岩が温泉の上に浮かんでいました。その上から源泉湯が岩をつたって浴槽へ流れ込んでいます。 表示には42℃とあったけど、37℃ほどのヨーロッパの湯に慣れたせいか、部屋自体が熱いせいか、それ以上に熱く感じて長くは入れませんでした。嬉しい誤算です。 |
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3: これが名物、洞窟温泉!温泉成分のかぼちゃ石に感動です。 4: 温泉後はここで休憩します。火照った体をシーツと毛布でくるんで休憩するのがスロバキア風。 5: かぼちゃ石の裏には天然鍾乳石の部屋(スチームサウナ)が。 6: 温泉プールもありますが、9月末にはすでに営業が終わっていました。 7: 公園内には温泉が流れ出るライオンが。ここの温度も45℃くらいとしっかり熱かったです。 8: 小川には温泉が流れ出して、ここにも堆積岩を作っていました。 |
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温泉は、浴室がほの暗いので定かではないですが、やや緑っぽく濁った湯で、触感はさらりとした印象でとくにつるつるヌルヌル感などはありませんでした。カルシウムと硫黄、マグネシウムが含まれているとのことです。 また、南瓜岩の奥が小さな部屋になっていてそこは天然のスチームサウナ状態、自然の鍾乳石が休憩椅子となっている贅沢な自然の部屋でした。 外湯的に利用できる浴槽はこれ1つだけだけど(定員10名以下)、それでも一見の価値がある素晴らしい湯でした。温泉水が直接洞窟に流れ込んでいるというのは、洞窟の多いこの東欧においても非常に珍しいケースだそうで、なにより熱い源泉湯に入れるというのはヨーロッパではかなり貴重だと思いました。(この温泉リゾートには、37~52℃の14の源泉があるそうです。) また温泉の後は、マッサージなども頼め、やはりスロヴァキア人も温泉後まったりともまれていたのは万国共通だなあと思いました。 あと、プールも5つ(37~38℃)もあり、個室の個人用浴槽でのハイドロセラピーも行なっています。そんなセラピーをつけつつ公園や周辺の林を探索するなど長期的にのんびりするもよし、ふらっと洞窟風呂だけに入るもよし、使い勝手のよい素晴らしい温泉でした。特に洞窟好きにはお勧めしたいと思います。 <2006.9> |