へーヴィース温泉は、天然の湖がそのまま温泉プールという、贅沢かつ非常に珍しい温泉です。 世界で2番目に大きい温泉湖と言われており、面積約4.7k㎡、山中湖が6.7k㎡ですから、 世界で2番目といっても見渡せる程度のかわいらしい湖です(ちなみに世界一はニュージーランドのフライパン温泉湖だと思います)。 ヘーヴィースはハンガリー1の人気観光地、バラトン湖の南西端近く、山に少し入った所にあります。 バラトン湖は面積592k㎡、琵琶湖に近い大きさで、東西に長細く広がっており、湖沿いの町はちょっとした避暑地のように雰囲気よい別荘が並んでいます。また、湖畔のあちこちで温泉が沸いているようで、ちょくちょくFurdoの標識が見られる、気持ちいいドライブコースです。 |
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バラトン湖から20分ほど、小さな森の中の村にヘーヴィースはありました。パーキングに車を泊めて、早速入浴セットを持って入口へ。中に入ると、男女別ロッカーで着替えて、湖の奥へと浮き廊下を進んでいきます。湖に浮かぶ木の橋を渡っていて、なんとなく広島の厳島神社を思い出しました。 湖の中央には浮き島のように、プール棟が浮かんでいます。屋内に、外とつながっているプール(というか湖そのまま)が4つの生簀のようにあり、そこから湖に入ることができます。これまた市ヶ谷駅の横にある釣堀を連想させる面白い造りでした。 さっそく生簀プールに下りてびっくり、当たり前かもしれませんが底に足がつかないし、足元も見えないのです。聞けば湖は深いところで38mほどだそう。これは浮き輪がないとおぼれる!と、レンタルで、黒い自転車のタイヤチューブのような浮き輪(200円ほど)を借りることにしました。 |
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2: 湖の上のプール棟、新しい施設です。 3: これが生簀プール。階段や手すりにつかまってみんな浮かんでいます。 4: きれいな青緑色の温泉に、なぜかおたまじゃくしのような小さな魚?がいっぱいいました。 5: 駐車場横にはかわいらしい売店が。名産のカラフルなパプリカが目に鮮やかです。 6: 泳ぐおばさんたち。真剣に泳ぐ人、グループで輪になってしゃべっている人など見ていて面白いです。 |
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温泉湖の温度30℃ほど、青緑にやや濁っていて、とてもきれいな色をしていました。室内の生簀エリアはやや加温してあるところがあって36℃ほどありましたが、9月の時点で結構涼しくて、10月以降は厳しいだろうと思われます(夏で水温33℃、冬は26℃ほどだそうです)。温かいシャワーだったりジャグジーなどがあればよいのですが、全くの湖だけなので、やはり行くなら夏がお勧めです。 温泉自体は、特に強い個性はないですが、なめらかで肌がすべすべする感触がありました。1日8600万トンの湧出量があり、約28時間で湖水が全て入れ替わるそうです。また、湖の底の温泉泥はカルシウム・マグネシウム・硫黄と少量のラドンを含んでいて、パックトリートメントの材料として知られています。 そんな、エメラルドグリーンの湯に浮かびながら、蓮の花をながめ、おたまじゃくしと一緒に泳いでいると、なんだかいつの間にか癒されてしまうから不思議です。日本風の熱い湯やお風呂を求めている時にはあまりお勧めできませんが、自然湧出の湯に浸かることによる自然との一体感は、十分感じることができました。 周辺の村も緑に囲まれていて長閑なので、ウォーキングしたり、泳いだりしながら、スパホテルで長期滞在するのもいいのではと思います。空気もいいし、とても健康になりそうです。以上、バラトン湖に行く事があれば、是非ちょっと足を伸ばして覗いて見ることをお勧めしたい、ほのぼの温泉湖でした。 <2006.9> |