エゲロサローク温泉は、バロック調の街並みがきれいな観光地エゲルの郊外にある真っ白な石灰棚が人気の野天施設です。 エゲルの町からはバスに乗って20分ほどの郊外にありますが、エゲルの街中にも温泉施設はあります。バスターミナルは、駅からバスで3駅、ハンガリーで2番目に大きいと言われる大聖堂の裏にありました。 バスで小さな集落をいくつか越え、郊外の林をぬって進みながら着いた場所は、周りに何もない、森の中に突然湧き出したような形で温泉がありました。 それから3年、周りの森を拓いて、ベストウェスタン系列の大型ホテル(客室数206室)が2007年夏に開業するそうです。山の中の秘湯的なムードが良かったのですが、泉質のよさ故の人気で、ついに本格リゾートに変換することになったようです。 |
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1: エゲルの街並み、黄色やピンクの家が多くてロマンチック。見どころも沢山あります。 2: 古典様式の大聖堂、この裏にバスターミナルがあります。また堂内のパイプオルガンも見事です。 |
バスの運転手さんに、エゲロサーク温泉のバス停でおろしてくれと言っておいたら、何にもない山道でおろされてました(まず自分で降りる場所は分からないので、必ず周りの人などに教えてもらうようにした方がよいと思います)。ここからどっち行けばいいんだ?と困ってあちこち見渡すと、BADENと書いてある看板を発見。ほっと一息、そっちの方向へ歩いていきました。 何もない林の中の道を歩くこと数分、山奥に温泉らしきもうもうと上がる湯気が見えてきました。 |
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3: 唯一の目印の看板、車で来る場合も注意して見ていないと見逃します。 4: とことこと歩いていくと、遠くに見えてきた、もうもうと上がる湯気となにやら白い山。これが石灰棚です。 |
たどり着いたところは、森が拓かれちょっとした広場のようになっていて、駐車場と小さな受付があり、その奥には真っ白な石灰棚とプールが見えました。はやる気持ちを抑えて400HUFを払って、着替え小屋で水着に着替えます。荷物はそこらへんにおいて(ロッカーなどはありません)、さっそく入浴です。
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5: これこそ極楽温泉、すぐ後ろの石灰棚をつたって降りてくる湯がそのまま浴槽に流れ込んでいます。 6: これが源泉、ここから流れ出る湯が、あっとい間に大きな石灰棚を作ってしまったのです。 7: 丘の上の方にあった隠れた浴槽。ハンガリーの温泉は割とよくこういう離れた隠れ浴槽があります。 |
石灰棚の手前にプールが2つあり、どちらも38℃ほどの適温です。気持ちよい温度ときれいな水色のお湯は、もちろんカルシウムたっぷり、なめらかなお湯でした。 観光客はあまりこないようで、地元の人しかおらず、家族連れもしくは健康のために来ている風の常連おじさんたちが、のんびり井戸端会議をしながら、新聞を読みながら、はたまたビールを飲みながら入っていました。 |
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浴槽以外では、石灰棚からのお湯をそのまま川に落としているだけの、シンプルな自然の打たせ湯がありました。湯が落ちる川底には板がひいてあるので、常連っぽいおじさんはそこに横になって腰や足まで打たせていました。 また、源泉はどうなっているのかと登ってみると、パイプがあってそこからすごい勢いで湯が流れ出ていました。ここから流れるお湯が、石灰棚をつたって下のプールや打たせ湯を通って川に流れていっています。それにしても、きれいな色のお湯でした。 本当に真っ白な石灰棚は、柵で囲まれているので中に入る事はできません。トルコのパムッカレなどに比べると規模は全然小さいですが、白さはこちらの方がきれいです。(パムッカレは、中に観光客が入ることで汚れてしまって、現在は通路以外立ち入り禁止になっています) とこれまでは、2004年に行った時の様子ですが、大型ホテルが出来てしまうとなると、この雰囲気や自然の浴槽がどうなるのかが非常に気になるところです。毎日数百人レベルで人が訪れるようになると、今までの秘湯感はなくなってしまうのではと淋しい気もしますが、自然の泉質のよさを活かしながら素適なリゾートになってほしいとつくづく思っています。オープン後、ホテルの様子も見に行きたいと思っているので、またその時は報告したいと思います。 <2004.3> |