カラカラスパは、有名な古代ローマの公衆浴場、カラカラテルメから名前をもらった日帰り温泉施設です。 海外で最も有名な温泉地のひとつと言える、ドイツ南西部にあるバーデンバーデン、緑がきれいでのんびり散歩するためにあるような温泉町の中にあります。近代的な外観の施設で、1985年に出来たそうですが、石畳の中心街や緑の公園が広がる町の中で、他が雰囲気がいい建物ばかりだったので、正直なんでこうガラス張りになっちゃうのかな、とちょっと残念な気がしました。バーデンバーデンにもうひとつある温泉施設、フリードリヒ浴場は重厚な建物で、サービスも伝統的な内容なのに対して、こちらは新しい施設で、内容も一般的なものになっていました。 ![]() |
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1: カラカラスパの外観、緑の芝生と後ろの森に映える白とガラスで出来た箱、という印象です。 2: 明るいフロントロビー、待ち合わせができる休憩ゾーンもありました。 |
カラカラスパは、大きく分けて、水着で入るプールゾーンと、裸で入るサウナゾーンの2つからなっています。プールゾーンには、屋内、露天のプールが7つあり、色々なジャグジー(打たせ湯のような物)がありました。 サウナゾーンは8種類ものサウナと水風呂があり、一部は屋外になっていました。 |
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3: 屋内のメインプール。豊島園の庭の湯を初めて見たとき、ここを参考にしているんだな、と思いました。 4: 露天プールエリア。バーデンバーデンの町並みを眺めながらの温泉は独特な雰囲気です。 |
プールエリアは、大きなぬるめのメインプールが真ん中にあって、横に露天プールや熱めの内湯(といっても38℃)と水風呂があります。メインプールには、色々なジェットが出たり、打たせ湯のようにお湯が出る場所がプールの淵に並んでいて、みな思い思いに足腰を水圧マッサージしていました。 水着で入るせいもあって、フリードリッヒ浴場の方が、大人の社交場なら、こちらは子供からお年寄りまで楽しめる、ファミリー向け浴場といった雰囲気です。実際、ゆったり湯治しているといった人より、子供連れファミリーや、若いグループなどが目立ちました。 温泉は、もうプールになってしまっているので、湯質がどうのというレベルではなく、普通にぬる温かい湯、といった感じ、無色透明で特に匂いなどもしませんでした。2000mの地下から湧き出る湯は、街中に23の源泉があり、湧出時には50~68℃、塩化ナトリウム泉だそうです。 |
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6: 古い町並みを眺めながらの露天風呂。ぬるいのでいつまでも長湯できます。 7: サウナエリアの屋外にあったログハウス風フィンランドサウナ、温度違いで2つありました。 8: ご近所のもう1つの温泉施設、フリードリッヒ浴場では伝統のローマンアイリッシュ浴を楽しめます。 |
ドイツやオーストリア周辺の国では、温泉水着プール+裸混浴サウナという、カラカラスパと同様の施設形式が割と一般的です。お風呂は裸でも平気な日本人ですが、さすがに混浴は抵抗あるのか、サウナエリアにはアジア系の人はいませんでした(特に女性、逆に男性はあえてこれを目的に来る人もいるようで、それもどうかと思いますが)。 通常サウナエリアは屋内でやや暗めだったりやや閉鎖的な造りだったりすることが多いのですが、ここは何しろ全面がガラス張りの施設で、明るくオープン、サウナエリアも広々開放的なので、なんとも不思議な感じがしました。浴槽やサウナの外では、タオルを巻いていて問題ないので、一度体験してみるのも面白いと思います。 広々した敷地に、各種豊富なハイドロジェット付プールやサウナを揃えてあるカラカラスパ、日本の多くの施設もここを参考にしており、「あの施設のあそこは、カラカラスパのここを見て作ったんだな」とか色々と気づく点もあって面白かったです。 日本のテルメとカラカラスパの違いは、東京ディズニーランドとフロリダのディズニーランド、お台場ヴィーナスフォートとラスベガスのフォーラムショップスの違いのような物で、日本のスパも進化してきて素晴らしいとは思うのですが、一度本場物を見るのもいい旅の思い出になると思います。 <2004.3> |