Bad Ischl (バード イシュル)はオーストリアの中央やや西、ザルツブルグの東にある、岩塩で有名な温泉保養地です。 16世紀には岩塩の町として栄えていましたが、18世紀に入って初めてホテルが建設され、フランツカールの息子、皇帝フランツジョセフがこの町を夏の避暑地として指定したことより保養地の歴史が始まりました。 山に囲まれた長閑な町には、特別有名な観光ポイントがあるわけではありませんが、周辺にはハイキングコースやゴルフ場などがあり長期滞在型リゾートが出来上がっています。 |
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左: Bad Ischl の町並み かわいらしい観光保養地には、澄んだ川が流れて、建物の背後に聳え立つ山々。空気が美味しいです。 前に見えるのがセンタ-の一番栄えている商店街、100mほどの規模ですが、スーパーから美味しそうなチョコレート屋、おしゃれな洋服や雑貨を売っているお店など、ひと通りのお店が並んでいます。 |
カイザーテルメの入り口。 立派な建物ですが、医療施設でもあるため、豪華というよりお堅い雰囲気の外観でした。 中はまるで病院のようで、案内がとっても不親切、まるっきり商業施設ぽさがなく、どっちにいったらいいのかわからなくて随分人に聞いてやっと日帰り入浴できる所にたどり着きました。(日帰りのフロントは通りからちょうど裏側にありました) |
メインの室内プール。温度は32度、かなりしょっぱい食塩泉で、細かい傷までひりひりしみるし、乾いたら痒くなるし、まるで海水のようでした。 プールの両脇にあるギャラリーは、床が全部ガラスで、とてもおしゃれ。下にプールで泳いでいる人を見ながら優雅に休憩できます。 |
左 : 露天プールの様子。 山々が見え開放感はあるのですが、テルメの建物にも囲まれているので、秘湯ムードが、という感じではないのが残念です。 右 : プールゾーンとは別にサウナゾーン(別料金)がありました。写真はサウナゾーンにあった内風呂。唯一これだけが温かいお風呂でした。(といっても38度くらい、やや温かいかなという程度) |
サウナゾーンには、サウナ+水風呂+休憩室+シャワー室がありました。 サウナは普通のサウナが温度違いで2室、フィンランド式サウナ(わざわざ屋外にあるログのサウナ小屋になっている)、スチームサウナ、トルコ式サウナ(霧の中に入るようなサウナで、一面霧状のミストで視界が真っ白、30cm先さえ見えないほど。霧は塩味でした)、ビオサウナ(自分で加熱機にオイルを入れられ香りがとてもよいサウナ)と6種類もあります。 ちなみにサウナゾーンは水着禁止で混浴です(ドイツやオーストリア、東欧ではサウナは基本水着禁止なことがほとんどです)。なにしろ狭いサウナの中で裸のおじ様方と一緒ですから、慣れないと結構抵抗があるかもしれません。若いオーストリア男性やアジアンがいたらどきどきだったかもしれませんが、客層が年齢高めだったせいかすぐなじんでしまいました。 | |
以上、長閑な保養地の公共的テルメでしたが、ふらっと立ち寄り湯という使い方ではなく、やはり半日程度の時間を持って行くほうが良いと思います。まずは塩分の濃いプールで軽い運動(体が浮くのでらくらく泳げます)、それからサウナゾーンで汗をかいて、休憩デッキでのんびり、というコースを繰り返すのがおすすめです。テルメに加えて、町のきれいな水と空気で数日滞在すればすっかり健康になりそうな、そんな温泉街でした。
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