瀧乃湯は、日本の統治時代に出来た新北投温泉街の真ん中にある昔ながらの温泉浴場です。(新北投温泉の歴史などについては、星乃湯のページを) 台北からメトロでたった30分ほど、ふらっと行ける気軽な日帰り温泉です。駅からは徒歩10分ほどですが、駅を背にして公園の右側沿いの道を行くと、右手に現れる温泉マークの入った白い壁の建物が瀧乃湯です。 温泉の川を挟んで反対側には、新しい公共温泉、親水露天浴池があります。 台湾が植民地時代だった頃、湯治場として賑わった北投には数十軒の温泉宿があったそうですが、現在、当時の宿はみな建て直されてホテルになっています。そんな中、昔の面影を残す瀧乃湯は、歴史的にも貴重な存在でしょう。 |
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1: これが瀧乃湯の外観、温泉マークが目印です。 2: 瀧乃湯の入口、日本の温泉銭湯っぽさと中国テイストが上手く混ざった独特の形をしています。 |
瀧乃湯は、日本の銭湯と全く同じく、男女別の浴室内ではみんな裸で入浴します。 建物に入ると目の前に番台があり、左右に男女それぞれの浴室への扉があるところなど、まさに日本式。番台のおばちゃんに40元払い、靴を脱いで浴室に入ると、手前に定員10人ほどの浴槽があり、その奥に脱衣スペースがありました。脱衣場が手前だと便利なのに・・・と思いつつ、備え付けの棚に荷物を置いて、さっそく入浴です。 瀧乃湯は、朝7時ごろから夜9時くらいまでやっています。のんびり入りたくて、朝一番、7時前に行ったので貸切状態でしたが、いつもはおばちゃんたちで混み合うようです。 (それでも男湯からは数人の声が。台湾ではおじさんの方が温泉に熱心なようです) |
3: 瀧乃湯のお風呂は石造りでした。天井が高く湿気が抜けるようになっています。 4: 温度を測ったら44℃、かなり熱めです。 5: 川を挟んで反対側にある新しい公共温泉、親水露天浴池の様子。 |
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温泉は、「青礦」と呼ばれる少し白く濁った硫黄酸性泉で、日本の玉川温泉に近いそうです。 壁には、PH1.2前後と書いてありましたが、確かにかなり強い酸で、傷にはぴりりとしみてきました。温度は40℃前後とありましたが測ってみると44℃、徐々に体を慣らさないと入れない温度です。足から少しづつ掛け湯をしていって、やっと全身入れても、強い泉質のせいもあり、とても長湯はできませんでした。多分一番湯でなく、もっと人が入った午後の時間帯なら少し温度も下がっていると思います。 誰もいなくてもお湯がどんどん流れ込み、流れ出していく贅沢。台湾にいて、昭和初期の公共浴場にいるような雰囲気と、質のよい掛け流しの温泉は、今後も是非残っていってほしい、そんな施設でした。 <2005.7> |