首都メキシコシティーの東、プエブラ州の山中にある、メキシコ在住日本人に一番人気の温泉ホテル、チグナウパンに行ってきました。 緑の渓谷にぽつんとある一軒宿には、横には渓流、滝が見えるというロケーションに加え、硫黄泉の懐かしい玉子臭がぷんぷんして、日本の秘湯の宿に通じるものがあります。アクセスの道も、土が赤いことを除けば、まるで長野県かどこかに来たような森の中の道だったりして懐かしさ倍増です。 チグナウパンというのは町の名前で、温泉ホテルはそこから車で10分ほどの郊外、山の中にあります。町中に看板が出ているので、メキシコにしては分かりやすい場所にある温泉だと思います。 ![]() |
![]() |
|
![]() |
![]() |
1. | 2. |
1: チグナウパンの町中、よくある田舎町といった感じで特に観光する場所はありません。 2: ホテルに到着したところ。右手がホテルで、5階がフロントになっていて、 1階に渓流沿いの温泉プールがあります。 |
看板に従って街から少し出ると、ホテル行きと一般日帰り行きで道が分かれます。一般の駐車場は川の反対側にあって、温泉まで少し歩きます。ホテル行きの道は、舗装されていない山道でちょっと遠回りですが、建物の横まで車で行く事が出来ます。 日帰りなら、チケットブースで入場料を払って中へ。この時、同時に貸切風呂を予約できます(2人用から4人用まで家族風呂が沢山あります)。入口前には、売店とスナック、ジュース売り場があり、ホテルはその横にありました。 |
![]() |
![]() ![]() |
3. | 4. 5. |
3: 渓流沿いの温泉プール、右はホテル宿泊者専用エリアです。 4: 新館の部屋の様子。ジュニアスイートと予約表にはありますが、 お風呂部屋が大きいだけで、特別に部屋が分かれているわけではありませんでした。 5: 部屋のお風呂、キングサイズベッドを横に長くした位の大きさです。 |
さて、硫黄の香りがぷんぷんする中、水着に着替えてプールへ。 階段をおりると、蒸気のこもった奥に長い浴場に内湯(内プールですが)が4つあり、窓から差し込む光が筋をえがいています。日本の温泉浴場のように大きな窓があれば、渓谷の自然が見える展望風呂になるのですが、普通の部屋サイズの窓があるだけなので、どこか湯治の宿的な、瞑想風呂のような雰囲気になっていました。 温度は39℃~40℃ほど、適温です。また、メキシコの温泉プールでは珍しく、浴室内に洗い場がありました。この洗い場が変わった形式で、四角く囲われた穴の中の樋にお湯が流れ込んでいるような形で、周りから中は見えません。 とはいえ男女一緒なので、裸でごしごし体を洗っている人はいませんでしたが、シャンプーしたり、水着のまま上手く体を流しているようでした。 |
![]() |
![]() |
6. | 7. |
6: 川沿いにそり建つホテルの建物からは、あちこちから湯が 川に流されているので、常に湯気がもうもうとたっています。 7: 日帰り客用プールの眺め。川沿いですが、プールに入っていると川は見えません。 |
内湯から外に出て階段をおりると、露天プールエリアです。 子供用とその横に一般用(深さ1mほど)、キノコシャワー付、そのまた奥に2つの温泉プールが、渓流沿いの敷地に沿って縦に並んでいます。気温が低い季節に行ったら、どこも温度は34℃~36℃ほど、ぬるめでした。湧出温度は51℃、プールの湯口は43℃ほどなのですが、注入量が少ないので全体的には冷めてしまっていました。気温が高い時はもっと湯温も温かいだろうし、外気が暑いとこのくらいの温度でも丁度よく入れると思います。 露天プールは、お風呂というより温かいプールといった感じで、日本の露天風呂からは遠いイメージですが、ホテルの客室内風呂と日帰りの貸切風呂は、どちらも同じく43℃~45℃のお湯がすごい勢いで流し込まれるので、十分に熱い、硫黄臭たっぷりの新鮮な湯に裸で入ることができるのでオススメです。家族風呂は小さい部屋(と言っても6畳ほどあります)で1時間150ペソ(約1,500円)からあります。やや灰色の濁りがある湯には、少量ですが温泉泥が混じっていました。 |
![]() |
![]() ![]() |
8. | 9. 10. |
8: 大きな内湯、長方形の浴槽が4つと洗い場が2ヶ所あります。 9: 宿泊者専用のジャグジー、灰色に濁って温泉味があり、プールより温かいので人気です。 10: 食事はオールインクルーシブ、メキシカンブッフェが朝昼夕とあります。 ややアメリカンブレックファスト的にした食べやすいメキシコ料理でした。 |
メキシコの人たちは、温泉プールがから出たら、横にある芝生エリアにビニールシートを敷いて、のんびりピクニック的にすごしていました。日本人からすると、なんとなくゆっくり出来るエリアがないので、屋内の休憩室や食堂がほしいところです。 結局、日帰り利用なら、内湯と温泉プールに少し入って、家族風呂で温まったら出る、といった感じで、3時間程度がほどよい利用時間でしょうか。せっかくこんな山中にまで行くのなら、そんな短時間利用でなく、是非泊まりで利用したいものです。 ホテルはきれいだけど中級感が漂う新館(ジュニアスイート)と、ややレトロな旧館(スタンダード)があり、金額に大差はないので大きな部屋風呂の付いている新館の部屋をおすすめします。宿泊には3食のメキシカンブッフェが付いていますが、味はまあ中級。1泊(3食)ならOKだけど、連泊(6食以上)はちょっと厳しいな、と個人的には思いました。また館内には、スパやゲームルーム(卓球とホッケーゲーム)、専用の温泉プールとジャグジーがありました。 以上、懐かしい硫黄の香りにつつまれた休日を過ごしたい人にお勧めしたい、メキシコ的温泉でした。露天プールは温かいだけで温泉味が薄いので、是非個室風呂でしっかり硫黄泉を楽しんでほしいと思います。 <2008.11> |