湯の花温泉、安田屋旅館は、太宰治が「斜陽」を書いた部屋が今も残る、文学の温泉宿です。沼津の南、三津浜(みとはま)に面して建つ趣ある和風旅館は、築80年の数寄屋造り、国の有形文化財にも指定されています。 駿河湾に沿って走る17号線沿いに建っているので、周辺が緑に囲まれている一軒宿、というわけではありませんが、館内からは三津浜、駿河湾を眺められます。 館内には、10室ちょっとの客室と浴場、宴会場が1つあるのみのこじんまりした宿ですが、庭と露天風呂付の部屋もあり、また、2005年に露天風呂が新設されたそうです。 ![]() |
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安田屋旅館は、朝日旅行会の日本の宿を守る会の会員宿にもなっています。さすが文学の宿、門構えも雰囲気があります。 写真の車の後ろ、2階の駿河湾に面した角部屋「月見草」が太宰治が滞在していた部屋です。 |
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左 : 歴史ある木造の珍しい螺旋階段 右: 露天風呂 満願の湯 お風呂は、内湯と露天浴槽が各1つづつセットで2種類、時間によって男女交替なので、両方楽しめます。片方は内湯・露天ともに石造り、片方は木の浴槽でした。内湯は定員5名ほど、露天は2人用といった感じでどちらも小さめですが、客室数が少ないせいか、混むことはありませんでした。また、残念ながら露天は緑に囲まれた形で、旅館建物の山側にあって海は見えませんでした。 |
![]() | お湯は無色透明、温まる感じの温泉でした。お湯やお風呂の造りは正直それほど特徴的ではなかったのですが、とにかく印象的だったのがお料理です。海の幸がこれでもかという位出てきて、どれも新鮮で美味しく、料金から考えてコストパフォーマンスがかなり高い旅館だと思いました。また、泊まった後も定期的に便りを送ってくれたり、古さを大切にしながらも、露天風呂付客室、露天風呂とどんどんサービスを追加している様子は、また是非泊りに行きたいと思っています。 <2003.11> |