別府の市街を眺められる眺望と青いお湯で有名ないちのいで館は、別府観海寺地区の住宅地の中、丘の上にひっそり建つ食堂です。 ここは日帰り施設でも銭湯でもなく、あくまで仕出し屋さんなのですが、そこにはオーナーのこだわりがありました。 とにかく、かなり場所が分かりにくく、途中の坂はかなり急で細い部分もあって対向車が来たら、と不安になりながら丘を登っていくと最奥にあります。 かなり坂を登った上にあるので眺めがよく、休憩所(=食堂)もあります。ここで食事を頼むとおまけでお風呂が入れるという不思議な仕組みになっています。 ![]() |
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1: いちのいで会館の外観、まず2階の食堂へ。1階は厨房やオフィスになっています。 2: これが人気の大展望露天風呂です。広いのに貸切状態で幸せでした。 |
ここは食事処なので、まずはご飯を頼みます。メニューは幕の内弁当かだんご汁定食です。 味はまあ普通に美味しくて、ただ町外れまで坂を登ってこれをわざわざ食べに出かけるかというと微妙です(決して美味しくないわけではないですが)。とは言え、これで温泉がついてくると思えば十分納得の価格設定、むしろ安い位です。 |
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3: 食堂も丘の上、しかも2階なので眺めがよく気持ちが良かったです。 30人~つめれば50人位までの宴会も出来そうな広さです。 4: 露天浴槽は3つあって、それぞれ大きさ・温度・湯色が微妙に違いました。 |
食堂から出て丘を登っていくと、景観の湯と金鉱の湯という2つの露天があって、男女日替わりになっています。 写真は景観の湯、その名のとおり、別府湾と市街が一望できる素晴らしいロケーションです。空の青と海の青、温泉の青がひとつのフレームにはまるのがすごいです。 お湯はメタ珪酸系弱アルカリ食塩泉。つるつる+滑らかで肌に優しい感じがする湯でした。アトピーなど皮膚炎にも効くそうで、遠くからボトルに汲みに来る人もいるそうです。 日によって湯色が透明→青→青白と色が変化するそうですが、浴槽が3つあって、大きな浴槽が青白、手前の小さい浴槽が透明な青いきれいなお湯になっていました。この透明青色は、鉄輪温泉の神和苑に似ていると思いました。 滑らかでしっとり感のある優しいお湯で、のんびり入りたかったのですが、夏にしては温度が高く炎天下では長湯できませんでした。昼間の眺望も素晴らしいですが、夜は夜景を眺めながらでまた違った楽しみがあるのでしょう。 |
4: だんご汁定食(1050円)。だんご汁と、おにぎり2個、小鉢に唐揚げなどもついてボリュームたっぷりです。 5: 裏山にある露天の分かれ道。次回は金鉱の湯に入ってみたいと思います。 6: 少し湯色が似ている、鉄輪温泉の神和苑の内湯。同じく別府にあるとは言え、かなり離れているので不思議です。 |
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金鉱の湯は、元別府鉱山の跡という緑の中の露天岩風呂で、景観の湯よりは小さめですが、温泉サウナが付いています。これは温泉の蒸気がそのまま上がってくる所に小屋を建てたという単純な造りですが、穴から噴出す蒸気をそのまま浴びるというダイナミックな天然の蒸し湯になっていて、実は一番固定ファンがいるそうです。 帰りにオーナーに、これだけいいお湯だったら、食堂でなくて日帰り温泉だけでも十分やっていけるんじゃないですか?というような話をしたら、とにかくこのお湯にこだわっているから、わざと入浴施設にしないとのこと。 つまり浴場登録するには色々保健所の規制がかかってシャワーをつけたり、消毒したりしなきゃいけない=せっかくのお湯が薄まってしまうので、わざわざ食堂のおまけという形で楽しんでもらっている、というのです。実に贅沢な話です。 眺望といい、泉質といい、こんな素晴らしい温泉が、あくまでご飯のおまけという、とても贅沢な唯一無二のこだわりの温泉でした。 <2005.7> |