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満願寺温泉,瑞雲荘 : heavenly-spring.com

満願寺温泉,瑞雲荘

満願寺温泉,瑞雲荘
瑞雲荘は、衝撃を受けるほど素晴らしいベジタリアン料理が楽しめる、満願寺温泉にあるこだわりの旅館です。
満願寺温泉は、黒川温泉の南西にある小さな志津川沿いの温泉町で、名前の由来は、文永11年(1274年)蒙古襲来の時、北条六朗時定が鎮圧祈願を込めて建立した「満願寺」から。
お寺があるだけの小さな町には、宿が3軒ほどあり、旅館静泉荘の前の川沿いには、露天風呂や公民館的な「温泉館」、掘建て小屋のような浴場もあります。ほんの50mほどの間に3つの公共浴場があるのは、湯量が豊富な温泉ならではです。

★★★
★★★
★★☆
★★★☆
★★☆

阿蘇郡南小国町満願寺志津上
0967-42-0111
URL : http://www.zuiunsou.com/
入浴料金 :  400円
行き方は、車なら大分道日田ICから国道212号・442号経由30kmほど、黒川温泉からは20分ほど。電車なら、阿蘇駅から九州産業交通バス杖立温泉行きで40分、満願寺入口下車です。
右 : 瑞雲荘の本館の縁側
満願寺は、北条時定他の北条三氏の墳墓などがある歴史ある地区でもあり、川に湧く温泉で野菜を洗ったり暮らしの中に温泉が馴染んでいる、そんな地味ながら味のある温泉町です。
瑞雲荘は、そんな静かな温泉町の川沿いにあって、お料理が美味しいと有名な温泉旅館ですが、建物も民芸調で趣あるお宿でした。小さな橋を渡って登っていく入口のアプローチも素適です(上段左)。
大正時代の民家を改装したロビーと食事処。
歴史を感じる太い梁と、和ガラスを使った襖、細工のある欄間(といってもべたな和彫刻でなく、大正時代のものでレトロモダン系なのがまた素適)など、たまらないポイントがちらほら。黒川にある新しい和モダン系の宿もいいですが、やっぱり本物は味があるなーとしみじみしました。
宿泊する部屋は別棟で、新しい建物に6部屋、離れが3部屋あります。客室は、ごく普通の和室で広かったですが、新しく増築されたような、全く普通の家の和室といった感じの味気ない部屋でした。本館が重みがあるだけに、こっちの棟が雰囲気や造りが軽くてその差がちょっと残念、雰囲気が揃っていればもっとよかったのですが。
ただ、離れは新しく出来た檜風呂付きの部屋もあって、木を多用したシンプル和モダン風で雰囲気がよいようです(公式ウェブに出ている部屋の写真は離れの客室)。部屋の造りにこだわる人は離れを予約した方がよいかと思います。
お風呂は、男女別に各内湯1、露天1あり、志津川を見下ろす方向に窓の開けた明るい浴室でした。
定員4名ほどのそれほど大きくない浴室ですが、宿泊人数も少ないのでそれほど人と会うことはありませんでした。露天風呂は内湯の横にあって、岩風呂になっています。特に眺めがいいわけではないですが、満願寺の長閑な風景が眺められます。
お湯は無色透明の単純泉、特に特徴の強い湯ではないですが、ややつるっとした触感がありました。浴場、離れの客室風呂とも源泉掛け流しとのこと。
この宿の素適な所は、なんといってもお食事です。
山里懐石料理ということで、海のものは全く使わず、地元で取れるほとんどベジタリアン料理は、野菜のみでこんな料理が出来るんだ!と感動すら覚える品々が次々と出てきます。
こんな山奥で(失礼!)、こんなしっかりと考えられた、都会でも十分に料理屋としてやっていけるような料理が出ることに本当に驚きました。
量もたっぷりあって、野菜だけでこんなに満足、お腹いっぱいになったのは初めての体験でした。本当に素晴らしいの一言で、もっと近くにあったら確実に月に1回は通いたいと思ったほど(東京だと、この食材をこの金額で出すのは難しいかもしれませんが)。
やっぱり同じように思う人もいるようで、関東・関西からの常連さんが結構いるよう。それも納得です。

読んでいるだけでも涎が出てきそうなお品がきには、夏野菜バルサミコ風味豆腐スプリットかけ、茄子とゴーヤのぴり辛味噌、トマト南瓜クリーム焼、和風ビシソワーズ、三種雪花菜寿司 などなど。お寿司のネタももちろん野菜でした。

以上、普段は宿は温泉で選ぶ私ですが、ここは温泉でなく、料理を食べにまた泊まりたいと思えるお宿です。また、とっても静かな環境と趣のある民家も素敵、隠れ家的な雰囲気にも癒されました。とにかく、正直、お部屋とお風呂はごく普通だったにもかかわらず、また食べに行きたい宿は、野菜好きの人には是非オススメしたい味なお宿でした。 <2005.7>