阿蘇山の北、南小国温泉郷にある黒川温泉は、集落全体の古里感づくりと各宿の露天風呂で、ここ数年一気に有名になった温泉地です。 そんな黒川温泉で女性に一番人気といわれている宿が、山みずきです。 これぞ新和風といった印象が残っていますが、やや洗練されつつも懐かしいというような、ある種の和の完成形といった雰囲気の建物が、中心街から2kmほど離れた森の中に並んでいました。 田舎風というわけでも、民芸調や和モダン一辺倒でもなく、非常にシンプルながらそれぞれの和の落ち着く要素が入っていて、逆に、建物があっさりしすぎな印象がありましたが、逆に主体を周りの自然環境においているのだと思いました。 ![]() |
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1: もみじの葉にきれいに覆われたエントランス。水をうった石畳も涼しげです。 2: 露天風呂の入口兼、日帰り入浴の受付もやっている茶房「井野屋」は本館より敷地奥にあります。 |
日帰りの場合、正面に入らず建物の横をずっと奥へ行った所にある茶房で受付をして、その奥、川沿いの露天風呂へ向かいます。お風呂は、男女別の内湯と、名物露天風呂が3つあって、そのうち2つが女性専用、1つが混浴=つまりほぼ男性専用、となっています。黒川はこういった形式の所が多く、女性優遇の仕組が非常にありがたいです。 露天風呂はどれも渓流沿いにあり、川面と高低差がそれほど大きくない造りなので、ゆったり横になると、まるで川に漬かっているような錯覚を覚えてしまいます。露天風呂を囲む木々の景観がまた素適で、ひたすらぼーっと温泉に浸かっていても目が飽きなかったです。 温泉自体は、ナトリウム塩化物・硫酸塩泉で全浴槽掛け流しだそうですが、無色透明でなめらか、特別な匂いなどの特徴はないです。広い露天なので、場所によって温度が違い、好みの場所を選べるのもよいと思いました。 |
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3: 一番奥の女性用露天、浅めの湯にごろんと寝ながら入るのは幸せ、ここが一番人気でした。 4: 真ん中の露天風呂、清流との距離が本当に近く、熱くなったら川に浸かる事もできます。 (実際は、湯温がそれほど高くないので、水風呂の必要はありませんでした) 5: 女性の事を考えて作っているな、と感心したパウダールーム。ちょっと乙女チックな雰囲気です。 6: 近くにある黒川のお気に入りの温泉、黒川荘の露天風呂。こちらは青緑に濁った温泉です。 |
露天エリアで特に素適だなと思ったのは、2つの露天をつなぐ「裸の散歩道」。女性専用エリアなので、川沿いの散歩道を裸でどうどうと歩けるのです。普段出来ない全裸散歩をしていると、本当に自然に溶け込めるような開放感、森林浴効果を体全身で受け取れるようで心も体もすっきりしたような気がしました。 わがままを言えば、混浴のお風呂にも入りたかったのですが、男性専用的な雰囲気(というか、男性はそこしか入れないので仕方ないのですが)でちょっとのぞいただけで断念しました。 露天風呂以外にも、男女別の内湯があります。こちらも清流の緑を眺められる、シンプル和テイストの浴室です。 以上、とにかく自然との近さがすてきな露天風呂が印象的なお宿でした。女性用露天は2つあるし、散歩道やエステ、かわいらしいパウダールームもあるので、女性におすすめな温泉だと思います。 <2005.7> おまけ情報 : 茶房「井野屋」のプリンはとっても美味しいです。風呂上りに甘いもの、最高! |