阿蘇山の北、南小国温泉郷にある黒川温泉は、集落全体の古里感づくりと各宿の露天風呂で、ここ数年一気に有名になった温泉地です。 各旅館の露天風呂を楽しめる、湯巡り手形などもあって、今では宿の予約が難しいほど人気の温泉街となりました。 旅館黒川荘は、そんな黒川温泉にある珍しい濁り湯の宿です。 中心街からやや外れた川沿いにあって、中心街から徒歩で15分ほどのところにあります。 黒川の温泉の泉質は、旅館によって違うのですが、ナトリウム塩化物・硫酸塩泉や硫化水素泉で、無色透明な所が多い中、ここのお湯は、きれいなエメラルドグリーンに濁っています。 ![]() |
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1: フロント横にあるラウンジ山ぼうし。懐かしいようなレトロ喫茶な雰囲気がたまらないです。 2: 観音露天風呂、緑がきれいな屋根付の露天風呂です。 |
趣のある茅葺の門をくぐると、レトロモダンなフロントロビーが現れます。和素朴系というよりは、重厚感が漂う、古き良きお宿、といった雰囲気です。 浴室は、そんな本館から廊下を下っていった所にあり、天井の高い大きな内風呂と、広々した露天風呂が2つありました。また、もう片方の浴室は、同じ造りの広い内湯と切石の露天風呂があって、この2種を男女日替わりで使えるようになっています。 |
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3: 入口の茅葺門。石敷きの通路に水がうってあって、なんとも趣がありました。 4: 内湯横の露天岩風呂、きれいな湯色とまわりの緑の対比が美しいです。 5: 広々した内湯、ここにもしっかりと青白濁の湯が。天井が高くて気持ちいいです。 |
お風呂の広さもさることながら、ここの特徴はやはり緑白色の温泉でしょう、本当にきれいなエメラルドグリーンの湯色です。泉質は、ナトリウム塩化物・硫酸塩・炭酸水素泉と少し長めですが、ようするに塩分と重曹など色々含むなめらかなお湯です。 露天岩風呂からは、横の川岸に聳え立つ石壁が見えて、他の宿とは違った趣がありました。 黒川温泉は、各宿が似たようなテイストで揃っていながらも、それぞれ露天風呂に趣向をこらしていて面白く、個人的なイメージとしては、黒川荘は、和モダンでおしゃれになりすぎることもなく、レトロ感がありながらも古くもなく、割と若者から年配層まで広い層にうけそうな、懐かしい感じの宿だなあ、と思いました。(例えば、静かに和の世界に篭りたいなら山河旅館、女性向けのレトロ和風が好きなら山みずき、など微妙にターゲットがずれているので、お気に入りの宿を探すのが面白いです) 多少館内が入り組んでいるとはいえ、大きなお風呂は魅力的だし、なによりお湯がきれいで気持ちよい、いい宿だと思いました。ひとつ難点を挙げるとすると、ちょっと混んでいる事。これだけの施設で13000円代から泊まれるなら、人気もしょうがないかな、とは思いますが。お風呂・価格に納得のおすすめ宿でした。 <2005.8> |