地獄温泉は、奥阿蘇、阿蘇山の中腹にたつ、昔ながらの湯治場風旅館です。 敷地近くに地獄があるので地獄温泉という恐ろしい名前になっていますが、雰囲気は普通の宿で緑に囲まれていて、特に御所掛温泉や玉川温泉のように横でもうもうと地獄の湯煙があがっているわけではありませんでした。 江戸時代は、熊本細川藩の藩士しか入れなかった格式ある温泉は、明治以降一般庶民に解放され、湯治場として栄えてきました。広い敷地に、宿泊棟や自炊棟、別館、お食事処、露天風呂などが点在しています。有名な露天風呂、すずめの湯(混浴、とは言え男性しか入っていない)や男女別の露天岩風呂、木造の内湯などいくつかお風呂があり、敷地内で湯巡りが出来ます。 ![]() |
![]() |
|
![]() |
![]() |
1. | 2. |
1: 敷地風景、手前がすずめの湯と自炊室、奥に見えるのが本館の宿泊棟です。 2: 唯一の女性専用露天、仇討ちの湯。男性用岩風呂の上にあって、のぞかれない工夫がしてありました。 3: 名物、すずめの湯の露天風呂は、熱めとぬるめの湯があります。 湯底から湯が湧いてくる源泉そのもの温泉です。 4: すずめの湯の内湯、男女別に左右対称同じ浴室があります。木造でとても味があります。 |
3. | 4. |
![]() |
![]() |
まず、一番有名な「すずめの湯」ですが、屋根のかかった露天風呂は、温度違いの浴槽に別れていて、硫黄泉の湯が楽しめます。泥湯だと聞いていたのですが、特に泥がたまっているような所はなく、普通にさらさらの白濁湯でした。 ここは混浴なのですが、ほぼ男性独占状態になっていて、もちろん水着などは禁止なので、女性が入るにはかなり勇気が必要、もしくはタイミングを見計らわないといけないのが残念でした。小さい浴槽におじさんたちと至近距離で一緒に入ることに抵抗がある人は、露天前の内湯へどうぞ。いかにも湯治場、といった木造の浴室に硫黄の香が満ちていて、しかもほぼ貸切で使えたので、のんびりと浸かることができました。 |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
5. | 6. | 7. |
5: 女性専用露天風呂に行く途中は、なぜか男性露天を上から見下ろせる造りになっています。 6: 内湯の元湯、男性用だったので入れなかったですが、すずめの湯より濃い灰色に見えました。 7: 敷地にある食事処、「曲水庵」。温泉内にある食堂というよりは、一軒の立派な郷土料理やでした。 |
すずめの湯以外には、大きな男女別の露天風呂がまた別の所にあって、女性が上、男性が下という段差がついた造りになっていました。(のぞこうと思えば男性風呂が丸見えでした)女性にとってのんびりと入れる露天はここ1つだけです。 他は、新湯という露天と元湯という内湯がありましたが、どちらも男湯とのことでした。すずめの湯もあまり女性向けな造りではないし、入れる浴槽の数からして全体的に男性優位の古い宿だな、という印象が残っています。 とは言え、とにかく濃い硫黄の香と、きれいな白濁の湯に入れる、近くにある秘湯の会の宿、垂玉温泉山口館と並んでここら辺周辺の中ではいい湯の宿だと思いました。 また、ひたすら温泉目的な人は、自炊棟に安く泊まれるし(1泊2300~3500円)、1日3食全部付けて湯治することも出来、また普通の旅館として贅沢な食事(名物は猪鍋やキジ鍋で、懐石料理、フランス料理まであります)付で泊まる事も出来るという、色々な使い方ができる点は素晴らしいと思います。 もちろん日帰りでお風呂だけ入れるので、ドライブ中にふらっと休憩もでき、使い勝手のよい宿だと思いました。 <2005.7> |