湘南、葉山のすぐ近くに、びっくりするような秘湯があるのをご存知でしょうか?住宅地からすぐの所に森に囲まれた、つっるつるの湯があると聞いて、早速行ってみたのでご報告します。 その名も星山温泉。稲龍神山スポーツランド内にあります。 といっても、スポーツランドは現在運営しておらず、そもそも個人経営のとってもアットホームな、趣味で運営しているようなお風呂でした。 葉山の御用邸からすぐ近く、警察署のすぐ近くから住宅地の細い道路に入っていって、あとは特に目印のない道順をたどるため、地元の人の間でも行ってみたいけどなかなか辿り着けない、という噂だけが広がっている謎の温泉です。もしくは、あまり知られてほしくないので、そういう噂をながしているのでは、という憶測も。とにかく行き方は言葉で説明が難しいので、下に写真付でご紹介しましょう。 |
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1: 星山温泉入口、個人所有の山の中、お風呂を焚くため?の木材が散乱しています。 2: 焚き木をしていた、オーナーの新倉さん。とっても気さくな方でした。 |
道を曲がるたびに、細くなる道幅にどきどきしながら、葉山の古い住宅地、畑などが点在する長閑な片田舎を進んでいって、森の中の未舗装の道をのぼると(私道)、森の中に少しひらけた空間があります。積み上げられた木材と、バラック小屋といった風情の建物がいくつか並んでいました。 ここか?と車を止めると、後ろからオーナーさんがスクーターで追いかけてきたのか、集金に来て、色々説明をしてくれました。 まず、ここ稲龍(いりゅう)神山スポーツランドは、現オーナーのお父様が、子供たちが遊べるようにと、の土地に作った手作りの遊び場で、トランポリンやカラオケ設備のある小屋や、ミニアスレチックのようなものがあったそう(全て手作り)。そんな中に、スポーツ後に汗を流すためのお風呂を作ろうと井戸を掘ってみたら、ラッキーにも温泉(冷泉)が湧いた、というのが星山温泉の始まりだそうです。 その後、スポーツランドは老朽化したままで運営しておらず、残った温泉だけを現オーナーが一般に開放しています。 |
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3: 脱衣所、年季の入ったほこりがこびりついた扇風機と鏡。 4: これが星山温泉!唯一のお風呂です。 |
お風呂は、なんとオーナー自ら薪で焚いてくれる個室湯がひとつ(昔はもう一つあったそうですが、今は使っていないそう)。これまた手作りの小屋内の浴室で、どこか懐かしい雰囲気が漂っています。 手書きの壁絵のある浴室には、ホーローのぴかぴか浴槽と水蛇口がひとつ。体を洗うなら、浴槽から湯をすくって使います。そんな、どこかの時代にタイムスリップしたようなお風呂に浸かってみてびっくり、本当にお湯がつるっつるなのです。 よくあちこちの日帰り温泉で「美肌の湯」と銘打って、つるつる湯だとか宣伝していることがありますが、正直そんなレベルではないつるつる感で、つるつるというよりぬるぬる、と言った方がいいくらい、肌に乳液のようにからんできます。まさに隠れた名湯、とはこのことでしょう。 成分表などはなく、正式には冷鉱泉、療養泉のカテゴリーに入る湯だと思いますが、そんな事はどうでもいいと思えるような、気持ちのよいお風呂でした。浴室や脱衣場は、お世辞にもきれいとは言えないので(もちろん掃除はされていますが、何しろ古いので)、湯治場などがNGな女性は、ちょっと抵抗あるかもしれませんが、それでも街から近くてこんないい湯が!とびっくりすること間違いなしです。 |
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T字路を曲がって登っていくと、右手にすぐ「魚の剥製館」という謎の看板が。そのまま進むと(写真6)のような四差路があるので、そこを右折します。 次に(写真7)のような、お地蔵さんが並ぶ三叉路で左折、細い坂を下りていきます。 くねくねと降りていくと道の左手に(写真8)の家が。これがオーナーさんの自宅だそうですが、この家の手前横の道(私道)を入っていきます。この道はかなり石ぼこぼこの舗装のない土道なので、雨の後などはこわいかもしれません。この道のつきあたりが星山温泉です。 |
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9: 浴室にかかれた壁絵、近くの森戸海岸だと思われます。 10: 帰り道の風景、こんな長閑な田舎道には、色々な花が咲いていました。梅や水仙、桃などなど。 |
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