鶴丸温泉は、えびのの西、吉松温泉郷、JR鶴丸駅のすぐ横にある一軒宿です。夜は旅館ですが、昼は公衆浴場になっていて、旅館のお風呂の日帰り利用という形ではなく気軽に入浴する事ができます。 鶴丸駅は、無人のホームがあるだけの可愛らしい駅で、駅前にお店などは全くありません。そんな長閑な場所にあって、鶴丸温泉は、駅のすぐ近くの気軽な温泉銭湯として、もしくは1時間に1本しかない電車待ちの間の時間つぶしに便利な施設です。 とはいえ、時間つぶし、なんて言ってしまうと失礼なほど、肌に優しいモール泉のお風呂を楽しめる素敵な温泉でした。 ![]() |
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1: 駅横にある神社とその横には温泉の看板が。初めてでも迷うことはないと思います。 2: 浴場を入口側から見たところ。奥に露天につながる小さな出入り口があります。 |
鶴丸温泉の外観は、どこか公民館を思わせるようなコンクリ造のやや古いそっけない建物で、受付で入湯料を払って中へ入ります。入口横には、自信の表れか大きな成分表がはってありました。早速、少し暗い廊下から男女別浴場へ。 脱衣所と浴場はつくりはまさに銭湯といった感じでした。 |
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3: 鶴丸温泉だけに、鶴のタイル絵が懐かしい雰囲気の浴場。 4: 無人の鶴丸駅。1時間1本、えびの高原線が通ります。 |
内湯は、浴室の真ん中に楕円形の浴槽が2つ並んでいます。深さが違っている浴槽は、各槽、自由に水を足して温度を調節できるようになっています。源泉温度が65℃と高いので、加水しないと入れないのは残念ですが、その分新鮮な湯を楽しむ事ができます。 写真のように、お湯はコーヒー色、やや黄色みのある透明な茶色です。PH8.3のアルカリ性、重曹を含む湯は、油のような、くすんだ独特な香りがして、つるつるした感覚がありました。いかにも植物性の有機物を含むモール泉らしい、肌に柔らかい美肌の湯です。 |
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6: 露天の檜風呂、ちょろちょろと源泉が掛け流されていました。 7: 入口横の歴史を感じる成分表。純重曹泉とありました。 8: おまけ、鹿児島空港のターミナル前にある足湯「おやっとさあ」。さすが湯処鹿児島です。 |
内湯だけでもしっとりと満足の湯なのですが、ここは露天もまた素敵です。 浴室の端にある、子供用かと思うような小さな戸をくぐって外に出ると、塀で囲まれた小さな庭に、木の浴槽がひとつ。濃い茶色の湯がなみなみと満たされ、蛇口からはちょろちょろと源泉が。出ている湯はかなり熱いですが、少しづつ加湯されているので、外気でほどよく冷まされて、何とか入れる温度になっていました(冬で熱めの温度だったので、夏だとかなり入るまで時間と我慢が必要かもしれません)。加水する蛇口はないので、温度調節が出来ないですが、その分加水されていないので、内湯より濃い湯を楽しめます。泊まりで夜に入ったらきっと気持ちよいでしょう。 今回は日帰りで利用しましたが、宿泊だと1泊2食で7,000円とのこと。全館古さを感じる造りではありますが、十分きれいに清掃されていました。内湯はタオル張りの銭湯風、露天は塀に囲まれて眺めが特にいいわけではありませんが、ここに入りに来る人は基本雰囲気より泉質重視でしょうから、そういう意味で十分満足できるお宿だと思います。ここに数日滞在して、この湯に何度もはいっていたら、きっとお肌つるつるになるだろうな、というようなとっても効きそうな、それでいて肌に優しい美肌の湯でした。 <2006.12> |