旅行人山荘は、鹿児島、霧島温泉郷にあって、眺望風呂と大きな貸切り風呂が人気の宿です。バックパッカー向けの本などが揃う旅行専門出版社『旅行人』の経営者、作家の蔵前仁一氏の実家なため、その名も旅行人山荘、館内にも書籍が揃っています。 丸尾温泉の発見自体は文政2年(1819年)だそうで、大正6年になって蔵前氏のお父様がこの温泉を買い取り丸尾温泉旅館を始め、昭和43年には現在の地に移転して霧島プリンスホテルとなり、平成10年旅行人山荘と名称を変えて現在に至っています。 |
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霧島温泉郷の中、アクセスの良い場所にありながら、緑に囲まれた丘の上に建つ一軒宿、旅行人山荘はそのお風呂が人気の宿です。
客室数は42室、5階建ての中規模温泉ホテルといった趣の館内には派手な宴会場などの余分な施設はなく、のんびりと温泉と霧島の自然を楽しめるような造りになっています。客室は、和・洋室と、露天風呂付客室、バリアフリーの部屋もあります。 |
上: 内湯の横にある露天風呂からの眺め 向こうにうっすら見える山が桜島、鹿児島市内を湾をはさんで眺めることができます。 温泉は、大浴場が男女各1つ、貸切湯が4種類(露天3と内湯1)、足湯があります。 |
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ちょっと昔の話ですが、原田知世がブレンディのCMで入っていた露天がこれ。 このお風呂、なんとこれだけ広くて貸切風呂なのです。旅館の建物から少し歩いた林の中にあって、宿泊者は無料で使えます(要予約、昔は使用中の札を掛けて自由に入れたのですが、人気と共に予約制になったようです)。とにかく、なんとも贅沢なお風呂、たっぷりの硫黄泉が掛け流しされています(湧出温度が100℃近いため、温度調節で加水はしているそう)。 |
![]() | ![]() 大浴場の内湯と横の露天から 見える鹿児島市の夜景です。 | 大浴場2ケ所は時間で男女交代、内湯に続く眺望の露天が2つあります。源泉は2本、単純泉と硫黄泉があり、内湯が単純泉、露天が硫黄泉だそうです。時間によって刻々と濃さを変える白濁の湯と鹿児島を見下ろすような眺めが素晴らしいお風呂でした。 |
過度な贅沢、無駄を排除したようなシンプルな宿は、自然と温泉だけを静かに楽しみたい人にはぴったり。非日常感覚を味わうホテルでもなく、庶民的な民宿でもなく、ごく普通の家の感覚で利用できる宿は、宿泊料も1泊2食付で1万前後とリーズナブル(露天付の部屋でも1.5万ほど)。正直、贅沢感を味わいに行く温泉旅館ではないので、部屋の造りはいたって普通、お食事はいまいちでしたが、それでも十分納得のお値打ち宿でした。兎に角、素晴らしいお湯と贅沢な広さの貸しきり露天風呂だけでも満足な、お勧めのお宿です。 <2002.9> |