須川高原温泉は、国定公園栗駒山の標高1126mに位置する、岩手・秋田・山形の県境にある、秘湯の会の加盟宿です。 周辺は溶岩、湿原、湖沼、高山植物に囲まれる高原地帯で、山頂への登山口があるためか常にトレッキング客に人気があります。すぐ横には、日帰りでも気軽に使える新しい栗駒山荘があります(須川高原温泉は岩手県ですが、栗駒山荘は秋田県)。 増設をくり返した建物は、かなり大きく、旅館部と自炊部があり、広々した広間やロビー、宴会場などもあります。鄙びた秘湯の宿というよりは、あかぬけない大型温泉旅館といった感じで、夜になるとカラオケの演歌が聞こえてきたり、秘湯の会の宿にしては異色です。 |
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1: 春の須川高原、5月の中旬でも道路脇は雪の壁ができていました。 2: 男女別の大露天風呂、夜は巨岩がライトアップされて幻想的です。 3: 内湯のぬる湯浴槽、内湯には大きな温かいお風呂と、小さなぬる湯の浴槽があります。 4: 中庭には温泉プールが。温泉がありあまっているので、 そのまま源泉が流し込まれている贅沢なプールです。 5: おいらん風呂、自然の蒸気での蒸し風呂です。 |
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須川高原温泉には、男女別の露天風呂と、木造の男女別内湯浴室があります。湯治の宿にしては、混浴でなく男女別で大きな浴室があるのはありがたい宿です。 内湯浴室は建物も木造で天井が高く梁が見えている造りで味があります。大きな浴槽とぬる湯浴槽があり、大きな方はは5×10mくらいはあるでしょうか。毎分6500リットルものお湯が湧くので内湯も露天も広いのが素適です。温泉成分表はこちらへ 温泉は、珍しい明礬緑礬を含む強酸性のお湯が掛け流しとなっていて、きれいな乳白色に濁っています(新鮮な湯は透明)。ちょっと目に入るとしみて目が開けられなくなるほどの強酸、PHは2前後で強烈なレモン味、クエン酸の粉末の濃いようなやや粉っぽくすっぱいお湯です。強酸でお肌の汚れが溶けて、自然のケミカルピーリング状態、お肌すべすべの嬉しい湯でした。 お湯もさることながら、内湯・露天ともに白熱灯の温かい灯りと木造の湯屋の雰囲気が素適、ここでひたすらお湯に入って高原を歩いて、を繰り返せばあっという間に健康になりそうです。 |
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7: 旅館部に泊まると、夜ご飯は食事のための別部屋で出されます。貸切は嬉しかったです。 8: 最近、露天風呂の横に足湯ができ、一般の人向けに解放されていました。 | |
素晴らしいお湯を楽しめる須川高原温泉の旅館部は12,000円前後~、自炊部は4,000円~で泊まれます。自炊部に泊まっても、大きな食堂があるので、不便もなくすごせると思います。 また、お部屋は窓がないこじんまりした部屋も多く、予約時に確認した方がよいと思います。お風呂がいいので私は気にならなかったですが、温泉宿でまったり♪と思って来る人は要注意です。 また、毎年11月~5月までは雪のため閉鎖しており、年によって閉鎖期間が違うで行く前に問い合わせすることをお勧めします。 写真は広々した木造湯屋、あつ湯とぬる湯がありました。 | |
以上、お湯、浴槽の雰囲気、まわりの豊かな自然と3拍子そろった、高原ハイクをしながらのんびりしたい素晴らしい温泉でした。宿自体はいまいちでも、それを踏まえても十分ありあまる、毎分6,000リットル(雪解け時はなんと20,000リットル)も湧き出す新鮮、強烈な湯の良さを是非お勧めしたい高原の宿でした。 <2003.5、2006.8> |