台温泉は、開湯1200年とも言われる歴史ある花巻郊外にある温泉郷です。 その始まりは、南北朝時代といわれていますが、言伝えでは坂之上の田村麻呂が遠征のときに体を癒したと伝えられ、「体癒ゆ(たいいゆ)」といわれたところから台 (原名:タイ) という地名がついたそうです。 小さな円を書く道沿いに旅館が10軒(自炊部が8軒)ほどあり、どの旅館も小規模なもので、山間の隠れ里的な雰囲気が漂っています。 そんな中にある精華の湯は、台温泉唯一の日帰り温泉で、温泉街のちょうど真ん中らへんにあります。2000年7月にその横にたつ「蕎麦房かみや」とともにオープンした、まだ新しい施設です。 |
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1: 花巻市街から車でたった15分、円小路の一番入口に建つ旅館、 「台の湯」は、とっても雰囲気のよい新しい宿でした。 古い温泉郷だけに、宿も古渋いところが多いですが、ここだけは和モダンテイストで、 女性グループやカップルでも抵抗がないと思います。 2: 精華の湯は、男女別の内湯のみのコンパクトな施設でした。 小さくてもいいから横の庭に露天があったらいいのに・・・。 3: 一番のお気に入り、中嶋旅館は、昭和3年に宮大工によって建てられた木造4階建てのしぶーい造り。 一見高級旅館風に見えますが、1泊2食付で8,000円~とリーズナブル。 4: 精華の湯の浴槽は大きな1つを木の板で2つに仕切っています。 5: 精華の湯の受付。私が行った時は無人で、勝手にチケットを買って 箱にいれておくという盗み湯し放題な状態でした。 |
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大きな暖簾のかかる、雰囲気よい和風平屋の入口を入ると、外観とは違った普通の公民館風の受付とロビーが。お風呂は男女別に内湯が1つづつ、非常にコンパクトな造りです。 お湯は、無色透明にすこし湯の花が浮いている、PH8.2の含硫黄ナトリウム硫酸塩硫化物泉、低張性弱アルカリ性高温泉です。掛け流しですが、源泉が熱いために加水をしています。それでも温度は高め、湯口は45℃位でしょうか、浴槽を2つに仕切ってあるので、片方に水を注いでなんとか入れました。硫黄の香がする滑らかないい湯です。 新しい施設なので、ちゃんとシャワーの洗い場もあり、シャンプー類もおいてありました。横の大きな窓からは庭の緑が見え、天井が高いので、小さいながら雰囲気の良いお風呂でした。 日帰り温泉はここだけですが、他の旅館も日帰り入浴をやっています。台温泉には、10ヶ所の源泉があり、泉質も微妙に違うので、あちこち入り比べるのもよいかと思います。 熊出没注意の山に囲まれた小さな温泉郷は、市街から15分と思えないほど秘境ムードがあるし、円形の道路に並ぶ宿も独特の雰囲気をかもし出しているので、花巻にきたらふらっと銭湯がわりにでも体験してほしいイーハトーブの温泉郷でした。 <2006.8> |