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鉛温泉 藤三旅館 : heavenly-spring.com

鉛温泉 藤三旅館

鉛温泉 藤三旅館
鉛温泉は、花巻の郊外の花巻南温泉峡の中にある、約六百年の歴史ある温泉旅館です。
映画にもなった田宮虎彦の小説「銀心中」の舞台ということでも知られており、また賢治の童話「なめとこ山の熊」には『腹の痛いものにも利けば傷もなおる鉛の湯』とも書かれるなど、文人も多く訪れた宿です。
東北の老舗宿によくあるように、鉛温泉にも旅館部と自炊部があります。旅館は8,000円~20,000円ほどで、自炊部はなんと素泊まり1,500円から食事がついても4,000円位。単に温泉を楽しみたいだけなら、自炊部に泊まっても全部の湯に入れるので安く泊まるのも手だと思います。また、日帰り入浴だけでなく、食事や休憩が一緒になった、日帰りプラン・夜帰りプランという面白いプランもあります。

★★★★☆
★★★★☆
★★★★★
★★★☆
★★★☆

〒025-0252 岩手県花巻市鉛字中平75-1
0198-25-2311
URL :  http://www.ginga.or.jp/~namari-onsen/
入浴料金 :  700円
アクセス
電車の場合、花巻駅から岩手県交通路線バスの新鉛温泉行きで30分ほど、1時間に1本ほどバスがあります。
車の場合、花巻IC・花巻駅からどちらも20分ほど、12号線をまっすぐ行くと道沿いにあります。
1. 2.

1: 鉛温泉の名物、白猿の湯。鉛温泉の由来が、
   白い猿が泉で体を癒している所を発見したことによる命名です。
2: 旅館部の正面。昭和16年築の素晴らしい木造3階建て。
温泉は、単純温泉・アルカリ性単純高温泉(57度)で、もちろん加熱や循環・差し水などを一切していない掛け流しの100%天然温泉です。無色透明の滑らか湯ですが、周辺の花巻南温泉峡の他の湯よりラジウム含有量が多いせいか、かなりぽかぽか度が高く、保温効果が高いです。
そしてその成分に加えてやはり、白猿の湯の深さがポイントです。深さ1.25mの日本一深い岩風呂は、その水圧の物理的効果から血行促進→疲労回復や新陳代謝増、循環器の働きを助けるなど色々な効果が期待できます。
また、3階吹き抜けの大きな独特な造りの浴場による心理的効果も相まって、本当に温泉のよさを上手く利用したお風呂だなあ、としみじみ。足元からは温泉が湧き出し、上を見上げると高い吹き抜け、そんな岩風呂に立ちながら湯に浸かっていると、大地と天上の線上に自分がいることを実感できる素晴らしい温泉だと思いました。

3. 4. 5.

3: 旅館部の新しい男女別浴場「桂の湯」は、それぞれ内湯と露天があります。
   体を洗うならきれいなここがお勧め。ちゃんとシャンプー類もあり、脱衣場もきれいでした。
4: 旅館部の「竜宮の湯」。レトロなタイル張りです。
5: 自炊部の「河鹿の湯」、広々した眺めのよい男女別内湯です。
   眺めがいいので、外の通り(あまり人通りのない道とは言え)から結構見えるのが気になりました。
6: 豊沢川が前を流れる桂の湯の露天風呂。浅い透明な清流がほんとうにきれいです。
   女湯は浴槽が1つですが、男湯はさらに川に近い位置にもう1つ浴槽があると聞いてちょっとくやしい!
7: レトロ感溢れる自炊部の流し場。昔の小学校の流しみたい。古いけどきれいでした。
8: 旅館部ロビー。赤い絨毯張り+革張ソファでレトロムードたっぷり。そして横には川の流れが臨めます。


7.

 6.8.

お風呂以外の施設は、大きな宴会場、自炊部には売店や共同炊事場があるだけのシンプルな造り。とにかくお風呂に入ってのんびりするためだけの旅館です。
夏は緑と清流がきれいですが、冬は雪に閉ざされたようになるのでしょうか(小説「銀心中」では主人公の男女が吹雪で死ぬ事になっているので)。東北の温泉とは言え花巻市街から近く通年営業しているので、また冬に行ってみたいと思いました。(ただし花巻在住の人によると、道路の雪の除雪が悪くてかなり運転は恐いとのことでした)
以上、旅館部・自炊部合わせて新旧5種類のお風呂を楽しめ、日本一深い岩風呂を堪能できる素晴らしい温泉でした。千と千尋の世界観のような、大地と天上を結ぶような立ち湯はまさに温泉遺産、お風呂好きの人には是非お勧めしたいと思います。  <2006.8>