天心乃湯は、茨城県五浦海岸近くにある新しい日帰り温泉施設です。岡倉天心ゆかりの土地、ということで天心乃湯という名前だそうです。 太平洋に突起した五浦の海岸の風景は、横山大観が好んで描いた松と日の出と月のモデルになっているそう。そんな海岸沿いに天心乃湯はあるのですが、残念ながら隣家などの角度の問題で、お風呂から海は眺められませんでした。 また、ここは白泥湯や変わり湯が人気で、また大きな食堂や宴会場があって、温泉+食事という使い方が出来る便利な施設です。 |
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左写真: 施設外観、やや和風な2階建ての公民館風です。 駐車場や休憩室が広かったので、きっと夏の海水浴シーズンは混むのでしょう。私が行ったのは冬だったのですが、それほど混んでもいないで(かと言って空きすぎというわけでもなく)気持ちよく入浴できました。 |
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お湯は塩味が強く、やや緑っぽいような気がする無色透明の塩化物泉、弱アルカリ性の湯です。成分表はこちらへ 浴室内には、ぬる湯と源泉露天風呂、昆布風呂と、粘土を温泉に溶かした白泥湯があります。 この白泥湯は珍しい湯で、地元、北茨城特産の蛙目粘土(がいろめねんど)を使っているところがポイントです。 ![]() |
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左写真: 白泥湯の露天、不思議な薄茶色の湯です。 粘土に含まれているカリオナイト成分というものがお肌をすべすべにする効果があるそうで、粘土で顔パックしながらの露天風呂は気持ちいいです。また、やはり地元で取れる昆布を使った昆布風呂も、乾燥肌などに効くとのこと。ここの温泉は所謂食塩泉なので、塩と昆布のアルギン酸の相乗効果があるとのこと、まるでお出汁をとられているような気分にもなりますが、ちょっと面白いお風呂でした。 サウナもまた、ラジウムオンドルサウナというラジウム鉱石を蒸したようなサウナで、木の寝床の下に温泉がぼこぼこ湧いて蒸気を出していてちょっと変わったサウナでした。 |
浴室自体はよくある石張りのきれいな公共浴場風で、特に眺めがいい、とか雰囲気が素敵、とかそういうことはないのですが、この変わり湯を楽しめるだけで満足なお風呂です。 お風呂からあがったら広々した休憩室で、この地区の特産品の果物「ポポー」のソフトクリームが食べられました。ポポーはパパイヤに似ていますが、ソフトクリームの味は懐かしいパイン飴に似ている気がしました。また、そこら辺の居酒屋以上に豊富な食事メニューがあり、定食からおつまみ、デザートまで揃っています。 以上、新しくきれいな施設で、地元の物をうまく使った珍しいお風呂を味わえ、その後も気軽にご飯をゆっくり食べられる、使い勝手のよい施設だと思いました。 <2004.1> |