伊香保温泉は、群馬県高崎や前橋の北にある歴史ある温泉街で、日本で第一号の温泉都市計画のなされた街でもあります。(興味があれば、石段下にある徳富蘆花博物館内の、伊香保の歴史展にある浮世絵がお勧めです。) 伊香保といえば、やっぱり石段の温泉街。 石段の間にも、お湯が流れる管(小間口)が通っており、あちこちに湯釜があります。伊香保の面白いところは、山の上に温泉が湧いていて、それがどんどん下に流れ降りて配給されていくということ。そんな石段を登りきった所に神社があり、そのまた奥に登っていくと、源泉とそのお湯を楽しめる露天風呂がありました。 |
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1: 伊香保の中心、メインストリートの石段。その脇に旅館や、お土産や、飲食店が連なっています。 2: 石段の一番上には神社が。 |
石段横に段々に配置されている旅館は、どこからでも同じような眺望がのぞめます。一般的には谷に湧いた温泉を一番近く使える、大手・老舗旅館は谷の町中にあることが多いですが、伊香保の場合は山の上にある旅館の方が格上とされてきたそうです。(参考: 今も続く、小間口組合について詳しくのっている組合のページ) さて、石段を登って頂上から400mほど行くと、まずは飲泉所があります。温泉水(加熱していないぬるま湯)と水があり、鉄分たっぷりの体によさそうな苦味です。 この飲泉所をこえてさらに少し登った所に、名物露天風呂がありました。 受付で入浴料を払って、簡単に男女別に囲われた露天風呂へ。一応鍵のかかるロッカーがある簡単な脱衣コーナーがあります。 |
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3: 露天風呂入口、青い暖簾が素敵です。横には地元の掲示板が。 4: 新緑の露天風呂、2つに浴槽が別れています。平日昼間だと貸切に近い状態でした。 5: お風呂側から脱衣所の方を見たところ。休憩用ベンチもあります。 |
ここの露天風呂には、源泉掛け流しの湯が流れ込んでいる〔あつ湯〕とそこから横にお湯が流れ込む〔ぬる湯〕の2つの浴槽があります。 上を見上げれば、緑と空、いい湯です。浴槽上にかかる、もみじの葉が湯船にういたりしているところがまたいい感じです。 源泉は無色透明ですが、酸化してやや灰色に濁っています。伊香保というと、赤茶色、黄金色に濁った鉄分のある湯を想像しますが、ここは新鮮すぎてまだそこまで色がついていないのです(山の下の湯はもっと酸化して茶褐色)。それでも、やはりお湯からはしっかりと鉄分臭が漂ってきていました。泉質は、カルシウム・ナトリウム-硫酸塩・炭酸水素塩・塩化物泉。ややアルカリ性です。 |
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6、7: 飲泉所はちょっとした休憩所のようです。 2つの蛇口に「温泉」「水」と書いてあり、ずっと湯が流れ続けています。 8:露天風呂前にある源泉。こんこんと湧く源泉の横には、ラジウム発見の碑、 日本の温泉医学の基礎を作ったベルツ博士の像もあります。 |
以上、とっても新鮮なお湯がのんびり楽しめる、伊香保の源、露天風呂でした。伊香保名物の茶濁の湯もいいですが、せっかくだったらまだ酸化していない新鮮湯を一度は味わってほしいと思います。 開放的な造りなので、天気のよい日にぼーっとするには最適です。周りには落葉樹が多いので、新緑、もしくは紅葉の季節は特におすすめしたいと思います。 <2006.5> |