みちのく温泉は、青森の北西、国道101号沿いにある泉質と水車で有名な温泉旅館です。 車で国道を走っていくと、すぐ目につくのは意味もなくでっかい水車。オーナーが何か日本一のものを、と思いたって作ってしまった水車の直系は22メートル、ちょっとした観覧車のよう。しかも、樹齢200~300年の青森ヒバを使った高級?水車だそうです。 茅葺の水車小屋は、湯の花やそば粉を製粉していますが、夏の間しか稼動しないそうで、残念ながら私が行った時は止まっていました。そしてなんと、この茅葺水車小屋にも泊れるというのを後から知りました(1日1家族限定)。本館内は普通のコンクリの味気ない建物なので、次回は小屋に泊ってみたいと思いました。 ![]() |
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お風呂は、内湯と露天が2つ、家族風呂が2部屋ありました。 内湯はタイル張りで2浴槽あり、洗い場は10個ほど、黄茶褐色のお湯がこんこんと注がれています。ちょっと残念だったのは、窓に不ぞろいな目隠しにシールが張られていて、全く外が見えなかったこと。まあ、露天があるから内湯はひたすら体を洗う+湯治用ということなのでしょう。 内湯だけだと、とってもローカルムード漂う田舎の銭湯に来たような感じです。 |
![]() | ![]() | 泉質はナトリウム塩化物炭酸泉で、飲泉もでき、やや塩味+鉄くささ+やや苦いお湯でした。濃い色の見た目よりは意外に飲みやすい味です。 また、日本温泉協会が認定する、遊離炭酸含有量日本一の温泉に選ばれたそうですが、なぜか全く炭酸っぽさは感じませんでした。体に特に泡がつくわけでもなかったし、加熱して炭酸が抜けてしまったのでしょうか。それでも十分肌すべすべのいい湯なのですが、期待してきただけにちょっと残念でした。 |
![]() | ![]() | 露天は男女別に2つづつ、内湯のすぐ横にひとつ(左写真の手前)、もうひとつはそこから5mほどの所の庭に露天小屋があります(左写真の右奥の小屋)。 内湯横の露天は、内湯からそのままお湯が流れ出ているので温度が下がってかなりぬるめ、夏向きの温度です。 ![]() |
![]() | 庭の露天小屋には、内湯からこちらに来ようと思っても、浴衣を着て内湯を通り抜けなければならないのでちょっと不便ですが、簡単な脱衣棚があって、着てきた浴衣などを置くことができます。 浴槽は男女別になっていますが、壁はかなりアバウト、大きな岩が間においてあるだけなので、夫婦やカップルで入っても話しをしやすい、おおらかな造りでした。浴槽はヒバ材で3人ほど入ってもゆったり、しっかり茶色い濁り湯がたっぷりと掛け流されています。 | |
↑ 写真の右下に線路、左に見える屋根が露天風呂小屋です。かなり近いのが分かると思います。遠くには日本海が広がっていますが、その手前、浴槽のすぐ近くを五能線がはしっています。線路から数メートルしか離れていないので、電車に乗っているお客さんの顔まではっきり見えてしまいます。一日数本しか通らないとは言え、ここらへんもかなりおおらか。 お風呂に入りながら、電車に乗っている人と挨拶を交わせる不思議スポットです。 |
![]() | おまけ : みちのく温泉の夕食 地元で取れた魚などをおばちゃんたちが調理した、とっても家庭的なお料理でした。見た目の豪華さはなくても、じんわり美味しくて、あまり名前を聞いたことのない地魚やエイ?などを食べれたのは嬉しかったです。 左上端が名物しょっつる鍋、名前からしょっぱい汁を想像していたのですが、あっさり上品な魚出汁(ハタハタ)でとても気に入りました。 連日の温泉旅館泊まりで毎晩量の多いご飯を出され+昼間も名産物を買い食いして、胃が疲れ気味だったので、量もほどよくて心地よいお食事でした。 以上、しっかりした濁り湯(でも湯ざわりさっぱり)とみちのくの長閑な風景を楽しめ、家庭的な雰囲気の中のんびりできるしみじみお宿でした。静かにみちのくを味わいたい時にはいい温泉だと思います。 <2005.4> |