黒湯温泉は、田沢湖の北東、駒ケ岳や乳頭山の山麓にある乳頭温泉郷の7湯の中で最も奥にある一軒宿です。 乳頭温泉というと鶴の湯が圧倒的に有名になりましたが、10年ほど前の秘湯ブーム前は、この黒湯が人気NO1だったそう。延宝二年(1674年)頃発見といわれ、鶴の湯に続いて歴史ある黒湯は、ブナ林の広がる中もうもうと湯気が沸き、大きな源泉湯畑と茅葺の宿棟が並ぶまさに秘湯といった趣。名前から黒い湯かと思いがちですが、実際は白濁の温泉であれ?と思いますが、アルカリ性のお湯を指して黒湯、それに対して酸性のお湯を白湯と呼んでいることから黒湯となったそうです。ただ、黒湯は酸性の湯のはず・・・謎です。 車を駐車場に止めて、ちょっとした遊歩道のような道を降りると、茅葺の屋根が見えてきます。この道を右に行くと黒湯、左に行くと孫六温泉があります。 ![]() |
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1: 新しい女性用露天風呂。塀の窓を開けると散策路を歩くおじさんと目がばっちり合いました。 2: 混浴の内湯。濁り具合が下の湯より濃いです。 3: ぐつぐつと沸騰するような湯畑と、沸いた湯を流す樋があちこちに巡っていました。 左下にうつっているのが、男女別の内湯小屋です。 4: うたせ湯は2ケ所あって、こちらは小屋の中にこれだけありました。他の浴槽からは離れています。 |
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黒湯には2ケ所の浴場があり、母屋のすぐ右に混浴の内湯・露天、湯畑の方に少しおりたところに、男女別の内湯と女性専用露天があります。 源泉が上の湯と下の湯の2つあり、上の湯が混浴風呂、下の湯が男女別内湯にひかれています。黒湯名物の混浴露天風呂は、小さいため人がいっぱいで、しかも男性専用っぽくなっていて残念、杉皮葺きの屋根と自然木を使った手すりなど、周辺の自然になじんでいますが、外から丸見え、女性は泊まって夜入るなど工夫が必要です。泉質は単純硫化水素泉でやや水色っぽい乳白濁の湯です。 男女別内湯の泉質は、酸性硫黄泉、やや少し水色っぽい透明な湯で、湯の花が少し浮いていました。 |
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5: ここに泊まってみたい!自炊部の茅葺宿棟。天気のよい日は洗濯物や布団が干してあったり。 6: ふとした道端に、湧き水をためてあり、スイカや飲物を冷やしていました。 7: 自炊部の部屋、平長屋の部屋はシンプルなものですが、囲炉裏と縁側付でおばあちゃんちに来たようです。 |
舞台装置かと思う、まさに日本人の故郷的風景が広がる黒湯温泉には、自炊部3,000円位~、旅館部10,000円位~泊まれます。白濁と透明の2種類あるお湯と、色々なお風呂を楽しもうと思ったら、次回は泊まりで来たいなと思いました(特に混浴露天にゆっくり入れなかったのが後悔、人気のある宿なので、泊まってタイミングをはからないと女性がゆっくり露天に入れないのがつらいところです)。 また、ここは自家発電の宿で、夜はランプの灯りでお風呂が楽しめます。冬は休業、5月中旬~11月までの営業です。 以上、心のふるさと、昔とかわらない風情で温泉を楽しめる、人気があるのも納得のお宿でした。やはり人気のせいか、オンシーズンはゆっくりできないので、平日に泊まりに行くなど工夫が必要だなと思いました。 <2006.8> |