三蔵温泉は、名古屋駅近くの街なか、ビジネスホテル内にあります。 開業して35年ほどになるホテルは、やや歴史を感じる四角いいかにもビジネスホテルといった建物。まわりはオフィス街だし、まさかこの中に温泉が?と思うような外観ですが、その壁には、『掛け流し天然温泉 三蔵温泉』というのぼりが出ていました。 元呉服屋の先代社長が、「名古屋にも温泉を」と掘り当てたそうですが、確かに、最近の日帰り温泉ブーム前は、名古屋周辺にはあまり温泉がなかったので、なかなか貴重な施設だったと思います。 宿泊者は24時間、温泉を利用することができますが、ホテル客を優先しているためか、外来入浴は11:00~16:30のみ(木曜は14:00~16:30)と短い時間になっています。 ![]() |
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1: 広々した『弐の湯』、ここだけ別館にあるので新しめのお風呂です。 2: 温泉入口には、採掘関係の資料が。ボーリングして出た岩石などが展示してありました。 |
ロイヤルホテルは、ビジネスホテルといっても、比較的大きめで、ロビーにカフェとレストラン、宴会場に会議室などもありました。 温泉は地下1階に2つ『壱の湯』、『参の湯』、別館に『弐の湯』と3つあって、通常は壱の湯と弐の湯のみを使っています。男女入替え制で、2種類の湯に入れるようになっていますが、日帰りの場合は、女性が新しい方の浴室を使えるようになっています。 参の湯は、現在使われていませんが、壱の湯とほぼ同じような造りで、新館が出来る前は、壱の湯と参の湯が男女用のお風呂だったのでしょう。新館の弐の湯が出来たので、今は、本館のお風呂1つ、新館のお風呂1つを利用している、ということだと思います。 |
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3: 本館の『壱の湯』、外は庭園風な岩壁が見えるようになっています。 4: 新館の『弐の湯』には、小さいですが露天風呂もついていました。 |
それぞれの浴室には、内湯浴槽が一つづつと洗い場があるシンプルな造りですが、新しい弐の湯だけは、横に小さな半露天エリアがあって、そこにもお風呂がありました。街中なので、目隠しをしてあって眺めがいいわけではなかったですが、涼しい外気の中、湯に浸かれるのは悪くないと思いました。 ところで、泉質は単純泉、成分があまり濃くない地下水といった感じの湯で、全て掛け流しとあったのですが、湯量の問題か、特に新鮮味を感じることはできませんでした。後から気がついたのですが、加水・加温もしているということ。要するに、循環はしていないけど、温泉は薄まっているし、加熱もされている、ということで、『掛け流し』という言葉に温泉らしさを求めてくると、がっかりするかもしれません。 |
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5: 弐の湯のパウダーエリアは女性を意識した造りで雰囲気がよかったです。 6: パウダーエリアからロフトに上るような階段があって、上は休憩室になっていました。 7: ホテルの部屋、温泉ではないですが、ユニットバスもついていました。 |
日帰り利用しようと思うと、外来利用可能な時間は限られているし、1700円とちょっと気軽には入れない金額、そしてお風呂は浴槽ひとつのありがちなホテルの浴室で、泉質もいまいち・・・、ということで、温泉目的の人には、正直あまりお勧めは出来ないかな、というような温泉でした。 ただ、ビジネスなどで名古屋駅から離れられないけど、空いている場所でさっと汗を流したい、なんて場合や、名古屋の交通の便がいい場所で宿泊しないといけない時などは、かなり便利なホテルだと思います。 私も、名古屋に用事があって泊まるのに、どうせなら温泉が出る所でと探して、アクセスの良さでこのホテルを選んだのですが、宿泊1万前後で温泉のお風呂付(あと、勝手な希望を言えば、ビジネスホテルだけに、サウナがついているといいのですが)、と思えば悪くない施設だと思いました。 <2009.2> |