バルネア温泉センターは、ドレニスケトプリツェというスロヴェニアの中央南、のどかな地方都市Novo mestoから近くの温泉村にある、新しい大型温泉施設です。 ノヴォメストから川沿い上流方向へ穏やかな田園風景を眺めながら行くと、緑の公園のような温泉村に着きます。小さな村の中央は石畳の通りと教会のトンガリ屋根ですぐ分かりますが、その横、並木道のきれいな公園内にバルネアはありました。 スロヴェニアの温泉センターの定型通り、プールゾーン・トリートメントゾーン・サウナゾーンと分かれていて、それぞれ別の料金がかかります。プールゾーンLagunaには露天も含む水着着用エリアで、トリートメントゾーンAuraではマッサージなどが受けられます。サウナゾーンOazaには各種サウナやジャグジーがありました。 ![]() |
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1: 公園の緑を見ながらのんびりできる露天プール、横にはカフェテリアもあります。 2: 開放的な屋内プール。一部ジャグジーになっていたり、温度の違う所があったりします。 |
まずはプールゾーンへ。屋内と屋外両方に大きなプールがあり、一部ジャグジーになったりします。屋外は25℃ほどとほぼ普通のプールです。屋内が35℃ほどで、一部だけ37℃ほどの所がありました。 外気温が低いので、35℃でも冷たい感じはせず、37℃あれば普通にのんびり入っていられます(とは言え、あったまる~、という感じではないですが)。 |
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3: この施設のお気に入り、日本風浴槽。 微妙な違いはあれど、頑張ってまねているところが高感度大です。 4: 誰も使っていなかったですが、ちゃんと洗い場っぽいエリアと木の風呂イスがあったのには感動。 |
さて、プールの次は、この施設の一番のポイント、サウナエリアOazaへ。 ドイツ周辺の温泉施設同様、ここのサウナエリアも、裸で混浴ですが、体に巻くようのシーツのような布は渡されるので、浴槽に入る時以外はそれを巻いて過ごします。 ここでは、なんと日本式浴槽Japanese Sweating Bath があって、施設の目玉のひとつになっています。40℃の温泉はヨーロッパにおいて非常に珍しく、それだけで感動モノです。そして、ただ湯が熱いだけでなく、漢字で温泉と書いた垂れ幕がかかっていたり、インテリアに竹や灯篭のようなものを使っていたり、ちゃんと木の風呂椅子と手桶があったり、スタッフに言うと日本式のタオル(ヨーロッパであのサイズの薄いタオルはあまり使わない)を貸してくれたりします。 日本式温泉の説明(パンフレットより) ”日本文化において熱い湯は重要な要素であり、火山岩の割目から湧き出す温泉に浸かることは日本の伝統的行為である。日本人は、入浴が思考や論理的考察を高めるのを助けてくれると信じている。著名な哲学者たちも、重要な仕事や儀式の前に、精神を休めるために湯に浸かったそうだ。(以下略)” 要するに、精神的ストレスからの開放に効果がある、との説明でした。 他にもエリア内、2フロアにまたがって、5種類のサウナと休憩室(ウォーターベッドもあり)が2ケ所、テラス、ジャグジーなど充実の内容でした。 |
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5: サウナエリアの休憩室には、リクライニングシートが並んでいます。和紙を使ったような照明も素適です。 6: サウナエリアは2階に別れていて、2階からは屋上テラスに出られます。 サウナ後に緑の風にあたる幸せ。ウッドデッキがいい雰囲気です。 7: 可愛らしいカラーのロッカールーム。自分の場所が分かりやすいよう、エリアによって色が違います。 8: 薄暗いサウナエリアの1F、独特の雰囲気です。 9: 同じDolenjskeの村にあるHotel Kristalにも、温泉プールがあります。泊まるならこちらへ。 |
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新しいだけあって、施設のあちこち工夫が見られて、また、欧風のシンプルかつ自然素材を活かした内装やインテリアが周辺の緑と馴染んで、とても居心地のよい施設でした。派手さはないですが、美味しい空気と温泉で、しみじみ体が良くなりそうな、落ち着いた雰囲気が漂っていたのが良かったです。 とにかくお勧めはサウナエリア、慣れていないと裸混浴という点で抵抗があるかと思いますが、体をすっぽりくるめる大きなシーツもあるし、人が多いわけでもなく、落ち着いた雰囲気なので(入館料が高めなせいか、客層はややハイソな感じ、30~40代の健康マニアっぽい人が多かったです)、それほど気にせずに自然に楽しめると思います。 バルネアに入るなら、プールだけでは勿体無く、やっぱり和風温泉のあるサウナエリアが一番お勧めポイントなので、是非ここで独特な世界を体験してほしいと思います。 また、同時に周辺の公園散歩も気持ちよく、スロベニア郊外のほのぼのとした雰囲気を楽しめるのもお勧めできる点だと思いました。できることなら日帰りでなく、すぐ近くの温泉付ホテルHotel Kristalに泊まって、朝夕の散歩を楽しんでほしい、そんな温泉村でした。 <2006.9> |