世界遺産の町ブダペストにいくつもある公共浴場のひとつ、ルカーチ浴場は、ブダ(旧市街)側の街中に建つ、地元密着型の温泉浴場です。 ブダペストの他の公共浴場は、オスマントルコ時代に作られたトルコ風呂があるルダシュ浴場や、宮殿のようなセーチェニ浴場、アールヌーボー建築のホテル内にあるゲラート浴場などがありますが、ここルカーチは、温泉病院に並んで建っており、療養的な意味合いで通う常連客が多い施設です。 屋外プールや、地下室のような雰囲気の混浴内湯(ここは水着着用)、サウナなどがあり、2007年いっぱいかけて、新しいサウナや浴槽など各種増設、改装を行っているそうです。 |
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1: これは隣の病院らしくない病院棟、黄色い壁色がまわりの緑とあわせてとてもきれいです。 2: 中庭にある温水プール、みな真剣に泳いでいました。 |
入口のフロントで入場料を払い(他施設同様、デポジット制です)、ロッカー入口に建っているおばちゃんに鍵をもらって水着に着替えます。ここは、内湯もプールもすべて混浴、水着着用になっています。 露天プールは2ヶ所あり、大きな22℃の冷たい普通のプール(泳ぐ用)と、26℃と32℃というなまぬるいプールがありました。 建物の中、半地下に降りていくと、温泉エリアがあります。温泉浴槽が4つ(38℃、37℃位、25℃)+サウナ2つ(スチーム、55℃温泉サウナ)あり、地下室的な浴室は、湯気がもわーっとたちこめていて薄暗く、独特の雰囲気が漂っていました。 |
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3: 一番大きな内湯浴槽、36~7℃でぬるいけれどのんびり長湯できる温度です。 4: 浴室の通路、地下迷宮というにはおおげさにしても、どこか秘密めいた雰囲気でした。 5: 一番熱い円形浴槽の壁からは、40℃ほどの湯が常に流れ込んでいました。 6: 人気のあった38℃の浴槽。みんなかなり長湯していました。 7: 宮殿のようなセーチェニ浴場、とにかく優雅、きれいな浴場がよい人はこちらをお勧めします。 7: アールヌーボー建築のホテル内にあるゲレルト浴場、同じブダ側にあります。 |
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ここの温泉は、カルシウム・マグネシウム・硫黄などが含まれていて、関節痛や脊椎痛、筋肉痛など骨まわりに効く温泉だと書いてありました。<br>無色透明のなめらかな湯には、すこし濁りがあるようでしたが、浴室が暗いのでよく見えませんでした。また、ゲレルト浴場では、湯口に成分が白く付着していましたが、ここでも多少の茶色い堆積物がありました。 地下にあるせいか、浴室全体が、もわーっとしたサウナ状態になっているのですが、それに加えて温泉で温めてあるサウナはかなり熱い温泉スチームが出ているし、十分温かい浴槽もあるので、冷たい浴槽と交互に、いくらでも長湯できるような温泉でした。 広々天井が高くて優雅な、ゲレルトやセーチェニ浴場もいいですが、その逆の天井が低くて狭くて薄暗いルカーチは、ハンガリーの湯治場ってこんな感じなのかな、と新しい発見があって面白かったです。正直、きれいさで言うと前者に劣りますが、わいわいとうるさい団体客もいないし、しみじみ瞑想するように静かに温泉を楽しみたい時にはいい湯だと思いました。 <2006.9> |