古都アンティグアは、石畳と独特の装飾が可愛らしい平屋が並ぶ、世界遺産のコロニアル都市です。正式名は、Antigua Guatemala(古いガテマラ)、昔はガテマラの首都はここアンティグアだったのですが、1773年の大地震で壊滅的なダメージを受けて、現在首都はガテマラシティになっています。 そのシティから1時間ほどとアクセスがよく、スペイン語学校が沢山あって、中米旅行者が必ず立ち寄り、その居心地のよさからついつい長期滞在してしまう、そんな和やかな町でした。パステル調の家々の後ろには、富士山のような独立峰、アグア火山が聳えています。また、郊外には石灰が取れる地域があり、その山奥の小川沿いには温泉がありました。 |
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1: アンティグアのシンボルの時計塔。 反対側から見ると、ちょうどアーチの下に火山が収まり絵画のようです。 2: 植民地時代のなごりで、独特な装飾を施された建築が並んでいます。 軒下まできれいなタイルを張ってある家も。 |
世界遺産の町の雰囲気を感じつつ、カテドラルや宮殿、そして教会や修道院の遺跡群を見て周ったあとは温泉へ。スペインの技術と、中米独特の文化が合わさることによって出来た、中米独特のコロニアル建築、特にその細かい彫刻装飾は必見の価値があります。かつて首都だっただけあって、それなりに町は大きく、見るべき史跡も山ほどあるので、是非ゆったりしたスケジュールで訪れたい町です。 郊外にあるサンロレンツォ温泉に行くには、市場横のバスターミナルからチキンバスに乗っていきます。どこ行きのバスでどこで降りる、とはっきりした事は言えないのですが(というのもちゃんとした停留所があるわけではないので)、ターミナルでバス添乗員さん(グアテマラではバスに運転手ともう一人集客や集金を行う添乗員さんが乗っています)にtelmaresに行きたい!と言えばしっかり連れてってもらえます。降りる場所も目印が特にあるわけではないので、着いたら教えてと前もって言っておけば完璧です。 |
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3: バス乗り場、広場に数十台のバスが並んでいます。とにかく皆ど派手、日本のヤン車顔負けです。 4: バスを降りた後のダート道。 何もない田舎道で不安でしたが、途中に看板がひとつ立っていて助かりました。 |
センターからバスで約20分ほど、ここで降りて、あっちに歩いていけ、と言われた方向にひたすら歩いていきました。家も何もない、山の中のダート道で車も全く通りません。本当にあっているのか心配になりつつも、20分ほど歩いたら、道つきあたり、谷間に公園が見えてきました。 山の中、渓流沿いの公園には、10mほどの露天プールがひとつ、その横に個室浴室が並ぶ平屋が建っています。その周りあちこちで、家族連れがバーベキューをしていました(中米では、なぜか温泉とバーベキューがセットになっている事が多いです)。 |
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5: これが温泉場の全景です。ダート道をひたすら行った山奥にあり、 ここで道は行き止まり、周りにまったく建物はないです。 6: 道案内をしてくれた男の子たち。友達同士で遊びにきたそう。 |
まずは、平屋の奥にある更衣室で水着に着替えて、温泉プールへ。 プール脇は石灰がかたまったような形に白くなっていましたが、水はきれいに澄んで透明でした。時によって白濁することもあるそうです。ここ周辺の地区では石灰石の採掘を行っているそうで、途中の道も石灰の粉で白くなっていました。そんな場所の温泉なので、きっとカルシウムたっぷりなのでしょう。ちなみに温度は36度位で、冬だったのでちょっとつらかったです。 |
7: 緑の中、開放的な露天プール。中央はかなり深くなっていました。 8: 貸切浴室はこんな感じ。汚くて気持ち悪い!というほどではないですが、きれいでもなかったです。 9: アンティグアは外国人観光客が多いので、ガテマラとは思えないおしゃれなカフェもありました。 まさか地方都市で、ベーグルを食べれるとは。 レストランも雰囲気がいい所が多く、本当に居心地のよい街でした。 |
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次は、個室浴槽へ。コンクリの4畳半ほどの部屋に、タイル張りの浴槽があるだけのシンプルな造りで、外を流れるお湯の川に面して開けてある壁の穴からお湯が流れ込んでくる仕組みになっています。自然の掛け流し状態なので、自分でお湯を新しく張りなおすことが出来るのは嬉しかったです。ただ、残念だったのは、これまた温度が低いこと(夏なら問題はないと思いますが)。とは言え、お湯はなめらかで、やわらかい感触のいい湯でした。 自然の中の、天然掛け流しの温泉公園は、地元の人たちのレジャー風景を見ながらほのぼの感を味わえる、とても和やかな温泉でした。湧出量が多いのか、湯がとてもきれいで、滑らかだったのが印象的です。後は、温度さえもう少し高ければ文句がないのですが、これは夏に来れば問題ないと思います。 アンティグアは本当に見所が沢山あって、街の規模的にも居心地がよく、しかもスペイン語学校が安いので、比較的長期滞在する人も多いと思います。サンロレンツォ温泉は、そんな滞在の中、ふと自然の空気を吸いたくなったり、友達とわいわい出かけたくなったりした時に丁度よい温泉だな、と思いました。 <2003.12> |